「ホイールを変えたらナットが合わなかった…」そんなトラブル、意外と多いんです。
実は、ホイールナットには座面の形状という重要なポイントがあり、テーパー・球面・平面と種類が分かれています。
座面形状を間違えると、ナットがしっかり固定されず、走行中に緩んだり脱輪につながるリスクも。
この記事では、車種別のナット座面形状早見表とともに、各座面形状の特徴や注意点をわかりやすく解説します。
ホイールナットの座面形状とは?

ナット座面とは、ホイールとナットが接する“面”の形状のこと。
座面形状は、テーパー座(60度)、球面座、平面座の3種類が代表的です。
テーパー座(60度)|最も一般的な形状

形状特徴
ナットの接地面が円錐形(コーン形状)になっており、先端に向かって60度の角度で絞られています。
採用例
・社外ホイール全般(特にスポーツ系・ドレスアップ系)
・トヨタ、日産、ダイハツ、スズキなどの国産車の多く
メリット
- 社外ホイールの大半がこの形状に対応しており、選択肢が豊富
- 締め込む際にナットがホイールの中央へ誘導されるため、センター出しがしやすくバランスが安定
- トルク管理もしやすく、安全性が高い
注意点
ホンダや輸入車の純正ホイールには適合しない場合があります。必ず座面形状を確認しましょう。
球面座(R形状)

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形状特徴
ナットの接地面が“球体の一部”のように丸く、曲面になっているのが特徴です。
「R座」「ボール座」とも呼ばれます。
採用例
・ホンダの純正スチールホイールやアルミホイール
・フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデス・ベンツ、BMWなどの一部輸入車
メリット
- 純正ホイールとの相性が良く、確実な締結ができる
- スタッドレス用など純正鉄チンホイールにも多く使われる
注意点
社外ホイール(特に国産)には不適合。テーパー座と混同しやすく、流用は絶対にNG。
見た目が似ていても、座面が一致しないと「ナットが緩む」「ホイールがガタつく」などの危険があります。
平面座

形状特徴
ナットの座面が完全に平らな構造になっており、専用ワッシャーが付いていることもあります。
採用例
・クラウンやアルファード、レクサスRXなど、トヨタ・レクサスの純正アルミホイール(主に高級車)
メリット
- ホイールに傷が付きにくく、見た目もきれいに装着できる
- 純正の“見栄え”を重視した仕様
注意点
社外ホイールにはまず適合しないため、流用不可。
ナットも専用品であることが多く、市販で簡単に手に入らないケースもあります。
【車種別】ホイールナット座面早見表

メーカー | ネジ径×ピッチ | 座面形状 | HEX(二面幅) |
---|---|---|---|
トヨタ | M12×1.5 | 平面/一部テーパー | 21HEX |
日産 | M12×1.25 | テーパー | 21HEX |
ホンダ | M12×1.5 | 球面 | 19HEX |
スバル | M12×1.25 | テーパー | 19HEX |
スズキ | M12×1.25 | テーパー | 19HEX |
ダイハツ | M12×1.5 | テーパー | 21HEX |
三菱 | M12×1.5 | 平面/一部テーパー | 21HEX |
※上記は基本構成。例外車種もあるため、ホイール購入時は必ずメーカーの適合表で確認を。
トヨタ車の座面形状

トヨタ純正ホイールの多くは「平面座」+専用ワッシャー付きナットを採用しています。
- 専用品でなければホイールが正しく固定できないこともあるため注意
- 社外ホイールに変更する場合は、テーパー座ナットに切り替える必要あり
- 純正ナットは社外ホイールに流用不可なので要確認
※86,GR86は、スバルと共同開発のためナットサイズが異なります。

KYO-EI(協永産業) 自動車用ホイールナット(袋ナット) 【ネジ径】M12 【ピッチ】P1.5 【二面幅】 21HEX 【入…
ホンダ車の座面形状

多くのホンダ純正ホイールが「球面座」になっています。
- 社外ホイール(特にテーパー座採用)との互換性は基本的にありません
- ホンダ車に社外ホイールを装着する場合は、「テーパー座ナット」を別途用意しましょう
- 純正ナットは使用不可となるケースが大半です

ホンダ車に社外品ホイールを装着する時はテーパーナットが必要です。
KYO-EI [ 協永産業 ] ラグナット [ 個数:20個入 ] [ 袋タイプ 19HEX ] M12 x P1.5 101-19-20P
日産車の座面形状

- ナット座面は「テーパー(60度)」が基本。
- 社外ホイールとの互換性が高く、純正ナットでもそのまま使えるケースが多いのが特徴。
- ただし、社外ホイールのデザインによっては「貫通ナット」や「ロックナット」が推奨されることも。
社外ホイールに変える際も、基本はテーパー座ナットでOK。
念のため、ホイールメーカーのナット適合表を確認しましょう。

スズキ車の座面形状

スズキも「テーパー座」が基本。
軽自動車ユーザーが多いため、19HEXサイズのコンパクトなナットが採用されています。
スズキ車は、M12×1.25/19HEX/テーパー座という仕様が標準。
ハスラー、スペーシア、ジムニーなど人気車種もこの規格です。
ナット購入時は「軽用テーパーナット」と記載された商品を選ぶと安心。

スバル車の座面形状

スバルも「テーパー座」が一般的。
ネジピッチは「1.25」となっており、トヨタやダイハツ(P1.5)とは異なる点に注意。
スバル車はスズキと同じく、M12×1.25/テーパー座/19HEXが基本。
社外ホイールの装着時は、ネジピッチを間違えないようにしましょう。
P1.5のナットは「一見ハマるが締まらない」ため、非常に危険です。

ダイハツ車の座面形状

- 「テーパー座」が主流で、21HEXのナットが多く使われています。
- ネジピッチはトヨタと同じ「M12×1.5」なので、トヨタ車と一部のナットが共通です。
ダイハツ車は、M12×1.5/テーパー座/21HEXが標準。
ハイゼット・アトレー・ムーヴなど幅広い車種で共通仕様ですが、純正ホイール→社外ホイールへの変更時は座面の形状を再確認しましょう。

三菱車の座面形状

三菱は「平面座」+ワッシャー付きナットを採用しているケースがあり、やや特殊です。
ただし、グレードや年式によっては「テーパー座」が採用されている車種もあります。
社外ホイールを装着する場合は、「テーパー座ナット」を用意しましょう。
純正ナットは使えないことが多いため、注意が必要です。
購入前にホイールメーカーの適合表を必ず確認するのがおすすめです。

マツダ車の座面形状

マツダ車は「テーパー座」が基本で、ダイハツやトヨタと同じくM12×1.5/21HEXが主流です。
ネジピッチやHEXサイズも一般的な規格のため、国産車用の社外ナットが流用しやすいのが特徴。
ただし、一部の車(例:CX-5の一時期など)は仕様が異なることもあるため注意が必要です。
マツダ車の基本仕様:M12×1.5/テーパー座/21HEX
注意点:社外ホイール装着時は、ナットの形状やHEXもあわせて確認を

ナットの素材とカラー選びのポイント

ホイールナットは、ただ締めればいい部品ではありません。
素材や色を選ぶことで、機能性と見た目の両方を向上させることができます。
ここでは、「形状」「素材」「カラー」の3つの観点から、ナット選びのポイントを解説します。
形状で選ぶ|用途や見た目に合わせた選び方

ホイールナットにはいくつかの基本形状があります。カスタムや目的に応じて適切なタイプを選びましょう。
- 袋ナット(キャップナット)
一般的なタイプ。ナットの先端がキャップで塞がれており、スタッドボルトが外から見えないデザイン。
サビ防止や見た目の清潔感に優れます。 - 貫通ナット(オープンナット)
ナットの上部が開いており、スタッドボルトが突き抜ける構造。
軽量かつ実用性重視で、サーキット走行やスポーツ系カスタムで人気。 - ショートナット
軽自動車やコンパクトカーに向いた短め設計。
干渉しにくく、ホイールデザインの邪魔をしないため、ドレスアップにも◎。
素材で選ぶ|スチールか?アルミか?

ナットの素材によっても、耐久性や見た目、価格に違いが出ます。
- スチール製
特徴:頑丈で耐久性が高く、安価で入手しやすい。
用途:街乗り・普段使いに最適。ホイール交換を頻繁にしない人におすすめ。
注意点:サビやすいため、定期的な点検を。 - アルミ製
特徴:軽量でカラーバリエーションが豊富。カスタム性が高い。
用途:ドレスアップや軽量化志向の方に人気。
注意点:過剰なトルクで締めすぎると破損リスクあり。トルクレンチ使用がおすすめ。

カラーナットは「アルミ製」が多いため、トルク管理は慎重に!専用の薄口ソケットも用意しておくと◎です。
カラーで選ぶ|ホイールとボディに合わせた配色を


ナットは小さなパーツですが、ホイールの印象を大きく左右するアクセントになります。
- ブラック
足元を引き締め、シックで落ち着いた雰囲気に。
ブラック系ホイールやアウトドアスタイルと相性◎ - クローム/シルバー
金属感があり、清潔感・高級感を演出。
ポリッシュホイールやメッキホイールと特に好相性。 - カラーナット(赤・青・ゴールドなど)
スポーツ系カスタムや個性派カスタムにおすすめ。
黒やガンメタ系ホイールに差し色として映えます。


ナット選びのQ&A


Q. ホンダの純正ナットは社外ホイールに使える?
A. 多くの場合、使えません。
ホンダ純正は球面座、社外はテーパー座が多いため座面が合わず危険です。
Q. カラーナットって強度的に問題ない?
A. ジュラルミンやアルミ製は軽量ですが、締めすぎ注意。日常使用では問題ないものがほとんどです。
信頼できるメーカーの製品を選ぶのがベストです。
Q. ナットは何本必要?
A. 4Hホイールは通常は1台分で16本。
5Hホイールは20本。6Hホイールは24個です。
車によって必要個数が異なるため注意が必要です。
まとめ|ナット選びは安全性+デザイン性も重視


ホイールナットの座面形状は見落としがちなポイントですが、ホイールの“正確な固定”に直結する非常に重要な部分です。
座面形状を間違えると脱輪など重大な事故につながる恐れもあるため注意が必要です。
座面形状 | 特徴 | 採用例 | 注意点 |
---|---|---|---|
テーパー座 | 60度の円錐形状。センターが出やすく安定性が高い | 社外ホイール全般、国産車の多く | 輸入車・ホンダ純正には不適合 |
球面座 | 球体の一部のような丸み | ホンダ純正、輸入車 | 社外ホイールには不適合 |
平面座 | 座面が完全にフラット | トヨタ・レクサスの一部純正 | 専用品が必要、流用NG |
ナットを購入する際は「見た目」や「サイズ」だけでなく、「座面形状」も必ずチェックしましょう。
この記事の車種別ナット早見表と、座面やカラー・素材の知識を参考に、安全で自分らしいホイール選びをしてくださいね。
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