「スバルSUVのPCD、実は複数種類あるのをご存じですか?」
スバルSUVは、アウトドアや街乗りでのスタイルアップを目的に「インチアップ」を検討する方が多いモデルです。
ただし、クロストレック・フォレスター・アウトバックでは標準タイヤサイズが異なるため、インチアップ時の適合サイズもそれぞれ違います。
この記事では、主要3モデルのインチアップサイズを一覧表で整理し、初心者でも分かりやすいようにまとめました。
スバルSUVのインチアップ基礎知識

SUVでインチアップを考える前に、まずは基礎的なポイントを押さえておきましょう。
特にスバル車は他メーカーに比べてPCDの規格が独特で、世代ごとに異なるため注意が必要です。
インチアップとは?

インチアップとは、タイヤの外径はほぼそのままにホイール径を大きくし、タイヤの扁平率を下げるカスタムのことです。
見た目の迫力を高めつつ、走行性能や乗り心地にも影響を与えるためメリット・デメリットを理解しておく必要があります。
メリット

- 見た目の迫力アップ:ホイールが大きく見え、SUVらしい存在感が強調されます。
- ハンドリング改善:サイドウォールが薄くなることで応答性やコーナリング性能が向上します。
- ブレーキのクリアランス確保:大径ローターを備えた車種では、大きいホイールにすることで干渉を避けられるケースもあります。

デメリット

- 乗り心地の悪化:段差や荒れた路面で突き上げ感が強くなる傾向があります。
- 燃費・静粛性の低下:タイヤが重く幅広になることで燃費や騒音に影響する場合があります。
- コスト増:大径タイヤは価格が高く、スタッドレスタイヤの選択肢も限られます。
- 干渉リスク:リム幅が広くなるとサスペンションやフェンダーに当たる可能性があり、実車計測が欠かせません。

スバル車で注意すべきポイント
スバル車のホイール交換では、他メーカーとは異なる独特な規格や、モデルチェンジに伴う仕様変更があるため、以下の項目を必ず事前に確認する必要があります。
間違った選択をすると装着できないだけでなく、安全性や車検適合性にも影響するため注意が必要です。
PCD(ピッチ円直径)の確認

従来は「5H/PCD100」が主流でしたが、近年は「5H/PCD114.3」の車種も増加。
必ず車種ごとの規格を確認してください。
世代別PCD一覧
- クロストレック(GU系 2022-):5H/PCD114.3
- フォレスター(SK系 2018-2024):5H/PCD114.3
- フォレスター(SL系 2024-):5H/PCD114.3
- アウトバック(BT系 2021-):5H/PCD114.3
- 旧型車種(多くのモデル):5H/PCD100
スバル車のPCDはこちらの記事

インセット(オフセット)の調整

リム幅やインセットを誤るとフェンダー干渉やはみ出しの原因になります。
推奨インセット値
- 純正17-18インチ相当:+48〜+55mm
- 19インチ以上:+45〜+52mm(リム幅に応じて調整)
- タイヤ外径を変えすぎない
外径差は±3%以内に抑えましょう。メーター誤差や干渉リスクを避けられます。

ロードインデックス・速度記号の確認

タイヤ交換時は車検証記載の数値以上を選択する必要があります。
主要モデルの要求値
- クロストレック:ロードインデックス91以上、速度記号H以上
- フォレスター:ロードインデックス91以上、速度記号H以上
- アウトバック:ロードインデックス95以上、速度記号H以上

クロストレック(新型GU系)

クロストレックはXVの後継として2022年に登場。
SUVらしさと街乗り性能を兼ね備えたモデルです。
標準サイズ
グレードによって標準装着されるホイールサイズが異なります。
ベースグレードは実用性重視の17インチ、上位グレードではスタイリッシュな18インチが採用されています。
- 17インチ:225/60R17(ベースグレード)
- 18インチ:225/55R18(上位グレード)
インチアップ例
クロストレックの場合、19インチが最も人気のインチアップサイズです。
これ以上のサイズアップは乗り心地や実用性を大きく損なう可能性があります。
- 19インチ:225/50R19
👉 18インチ車でも19インチ化可能。外径差が小さく、迫力ある見た目に仕上がります。
【適合車種:スバル クロストレック(GU系)2022-】 トーヨータイヤ トランパス mp7 225/55R18 98 夏用タイヤ…
装着時の注意点
19インチ化するとサイドウォールが薄くなり、乗り心地が硬めに変化します。
街乗り中心なら問題ありませんが、アウトドア走行が多い方は純正18インチを維持する方が快適性を確保できます。

フォレスター(最新SL/SK系)

スバルSUVの中心的存在であるフォレスターは、モデルチェンジごとにPCDも進化しています。
現行SK/SL系ではPCD114.3が採用されました。
世代別詳細情報
- SL系(2024-):最新世代、安全装備とインフォテインメントを大幅強化
- SK系(2018-2024):5代目、e-BOXERハイブリッド導入世代
- 旧世代:SJ系(2012年 – 2018年)、SH系(2007年 – 2012年)、SG系(2002年 – 2007年)は別途専用記事で詳細解説
標準サイズ
フォレスターは幅広いグレード展開により、17インチから19インチまで多様な標準サイズが設定されています。
用途に応じた選択肢の豊富さが特徴です。
- 17インチ:225/60R17(ツーリングなど)
- 18インチ:225/55R18(アドバンスなど)
- 19インチ:225/55R19(一部海外仕様・カスタム例)
フォレスターSK系のホイール選びはこちらの記事

インチアップ例
フォレスターの場合、標準で19インチ装着車もあるため、20インチへのインチアップが主流です。
ただし、実用性よりもスタイル重視のカスタムとなります。
- 20インチ:245/45R20
👉 実用性よりドレスアップ目的。干渉リスクや乗り心地の硬化に注意。
装着時の注意点
20インチ化するとステアリングの応答性は上がりますが、ロードノイズと突き上げ感は大幅に増えます。
普段使いの快適さを重視する方は18インチ〜19インチが無難です。
フォレスターSL系のインチアップはこちら

フォレスターSK系のインチアップはこちら

アウトバック(BS/BT系)

北米市場を意識したアウトバックは、スバルSUVの中でも特にラグジュアリー性が高いモデルです。
標準サイズ
アウトバックは世代によって標準サイズが異なります。
現行BT系では18インチが主流となり、よりプレミアムな印象を与える設定となっています。
- 17インチ:225/65R17(旧型BS系の一部)
- 18インチ:225/60R18(現行BT系の主流サイズ)
インチアップ例
アウトバックでは19インチ、20インチともに人気のインチアップサイズです。
高級感を重視するユーザーには20インチも選択肢となりますが、実用性とのバランスを考慮する必要があります。
- 19インチ:235/55R19
- 20インチ:245/50R20
👉 19インチ化は比較的現実的。20インチは迫力はあるがタイヤ選択肢が限られます。
【適合車種:スバル レガシィ アウトバック(BS系)2014-】 TOYO プロクセス CL1 SUV 225/55R19 99 夏用タイヤ…
装着時の注意点
20インチ化ではタイヤ外径がやや大きくなり、加速性能や燃費に影響します。
高速道路主体で見た目重視のユーザー向け。雪道走行が多い方には不向きです。

3モデルのインチアップサイズ早見表
以下の表で各モデルの標準サイズとおすすめインチアップサイズを比較できます。
車種ごとの特性と用途を考慮した現実的な選択肢をまとめています。
| 車種 | 標準タイヤサイズ | インチアップ例 |
|---|---|---|
| クロストレック | 225/60R17、225/55R18 | 225/50R19 |
| フォレスター | 225/60R17、225/55R18、225/55R19(例) | 245/45R20 |
| アウトバック | 225/65R17、225/60R18 | 235/55R19、245/50R20 |
👉 一覧で比較すると、自分のSUVにどのサイズが合うかイメージしやすくなります。
インチアップの価格目安
インチアップにかかる総費用の目安です。
タイヤとホイールをセットで購入した場合の価格帯で、ブランドや品質によって大きく変動します。
セット価格例(タイヤ+ホイール4本)
- 18インチセット:160,000〜320,000円
- 19インチセット:200,000〜520,000円
- 20インチセット:320,000〜720,000円
【適合車種:スバル フォレスター(SK9 2.5L)2018- サマータイヤセット】 ヨコハマ GEOLANDAR A…
タイヤ単価(1本あたり)
タイヤ価格はブランドと性能により大きく差があります。
国産プレミアムブランドは上位価格帯、輸入タイヤやエコノミータイヤは下位価格帯が目安となります。
- 17インチ:15,000〜30,000円
- 18インチ:20,000〜40,000円
- 19インチ:25,000〜50,000円
- 20インチ:30,000〜60,000円

ホイール単価(1本あたり)
ホイール価格は素材(アルミ合金の種類)、製造方法(鋳造・鍛造)、ブランドによって大きく異なります。
軽量化や強度を重視する場合は上位グレードがおすすめです。
- エントリーモデル:20,000〜40,000円
- ミドルレンジ:40,000〜80,000円
- プレミアム:80,000〜150,000円

ホイールナットはこちらの記事

インチアップ時の注意点

インチアップは見た目や走行性能を高める一方で、注意を怠ると干渉や車検不適合につながることがあります。
以下の点を必ず確認しましょう。
- インセット確認:サスペンションやフェンダー干渉を避けるため、実車計測が大切。
- PCD確認:型式や年式によって100か114.3に分かれるので要チェック。
- スタッドレスはダウンサイズもあり:冬は17インチに落としてコスト・性能面で有利に。
インチアップを検討する際は、デザインだけでなく安全性・快適性・シーズンごとの使い勝手を総合的に判断することが大切です。

まとめ

スバルSUVはモデルごとに標準タイヤサイズやホイール規格が異なり、インチアップ時の選択肢も変わってきます。
クロストレックでは扱いやすい 19インチ化 が人気で、スタイルアップしつつ普段使いにも対応できます。
フォレスターは剛性が高く、思い切った 20インチ化 で迫力ある足元に仕上げるケースも。
アウトバックはラグジュアリーSUVとしての性格から、19インチ〜20インチ化 が特に映えるモデルです。
見た目と実用性のバランスを意識して選ぶのが満足度アップのポイントです。

👉 詳細な装着例や購入方法は各モデル専用の記事もぜひご覧ください。






