「タイヤのサイズを変更したいけど、車検に通るか心配だな…」
「純正から変えると違法改造になってしまうのかな…」
タイヤサイズの変更は、車の走行性能や見た目を大きく変えられる魅力的なカスタマイズ方法の一つです。
ただし、道路運送車両法で定められた基準を満たさないと、車検時に不適合となってしまう可能性があります。
この記事では、愛車のカスタマイズを検討している方に向けて、以下のことを筆者の経験を交えながら解説しています。
- タイヤサイズ変更の法的基準
- 車検に通るタイヤサイズの条件
- サイズ変更のメリット・デメリット
タイヤサイズの変更は慎重に検討する必要がありますが、正しい知識があれば安全かつ合法的なカスタマイズが可能です。
タイヤサイズの変更は法律違反になるのか?

タイヤサイズの変更は、適切な範囲内であれば合法的なカスタマイズとして認められています。
道路運送車両法では、タイヤサイズの変更について明確な基準が設けられており、その基準を満たせば問題なく車検にも通過できます。
具体的には、純正タイヤの外径に対して-3%から+2%の範囲内であれば認められ、フェンダーからのはみ出しが10mm未満に収まっていることが求められます。
また、ロードインデックス(荷重指数)が車両重量に適合していることも重要な基準となっています。
以下で詳しく解説していきます。
道路運送車両法でのタイヤサイズ規定を解説

道路運送車両法では、タイヤサイズの変更に関する具体的な規定が定められています。
基本的なルールとして、車両の安全性を損なわない範囲での変更が認められるでしょう。
タイヤ外径の許容範囲は、純正サイズと比較して-3%から+2%以内と定められました。
この基準を超えるサイズ変更は、道路運送車両法第58条に違反する可能性が高まります。
車検時には、タイヤ外径の変更幅だけでなく、フェンダーからのはみ出しも厳しくチェックされるのが現状です。
国土交通省の基準では、タイヤのフェンダーからのはみ出しは10mm未満に制限されています。
さらに、ロードインデックスも純正以上の数値を維持する必要があるでしょう。
タイヤサイズ変更時には、車両のスピードメーター誤差にも注意が必要です。
タイヤ外径が大きくなると、スピードメーターの表示が実際の速度より遅くなってしまいます。
違法改造とみなされるタイヤの特徴とは

タイヤサイズの変更で違法改造とみなされる基準について、詳しく解説していきましょう。
道路運送車両法施行規則第9条では、タイヤの装着に関する具体的な規定が定められています。
車検で不適合となるタイヤの特徴として、まず外径が純正サイズから±3%を超える変更は認められません。
フェンダーからのタイヤのはみ出しも、10mmを超えると違法改造の対象となりました。
タイヤ接地部がフェンダーの外側に露出するオーバーフェンダー仕様も、保安基準に抵触する可能性が高いでしょう。
また、タイヤの溝深さが1.6mm以下になると、即座に使用が禁止されます。
タイヤ幅を極端に広げることで、車体やサスペンションに干渉する改造も違法です。
ロードインデックス(荷重指数)が車両の基準値を下回るタイヤの使用も認められていません。スピードシンボルについても、車両の最高速度に適合した規格のものを選択する必要があります。
これらの基準を満たさないタイヤを装着した場合、道路運送車両法違反として摘発される可能性があるため注意が必要です。
安全性を考慮し、必ず法定基準内でのカスタマイズを心がけましょう。
参照元(道路運送車両の保安基準):https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/B003.pdf
車検に通るタイヤサイズの基準とは?

タイヤサイズの車検基準は、安全性と法令遵守の観点から厳格に定められています。
車検時には、タイヤサイズに関する複数の基準をクリアする必要があります。
タイヤの外径やロードインデックス、フェンダーとの干渉など、様々な要素が車検の合否を左右するためです。
たとえば、タイヤの外径は純正サイズを基準として-3%から+2%の範囲内に収める必要があります。
これは、車両の安全性能や速度計の精度に大きく影響するためです。
また、ロードインデックスは車両の総重量に対して十分な耐荷重性能を持つことが求められ、フェンダーからのタイヤのはみ出しは10mm未満という明確な基準が設けられています。
以下で、車検に通るタイヤサイズの具体的な基準について詳しく解説していきます。
純正タイヤサイズなら車検で安心できる理由

車検に通るタイヤサイズの選定で最も安全な選択は、メーカー純正のタイヤサイズを採用することです。
純正タイヤは、車両重量やブレーキ性能、サスペンションの特性など、さまざまな要素と完璧にマッチするよう設計されました。
例えば、トヨタ・カローラの場合、205/55R16というサイズが純正設定の一つとして採用されています。
このサイズは、車両の重量バランスや走行性能を最適化するために選ばれたものでしょう。
純正タイヤを使用すれば、車検時の「タイヤ外径許容範囲」や「ロードインデックス」といった基準を自動的にクリアできます。
さらに、フェンダーからのはみ出しや車体との干渉といった問題も発生しないため、車検時の不安要素を大幅に減らせるメリットがあります。
純正サイズを選択することで、スピードメーターの誤差も許容範囲内に収まり、安全な走行が可能になるでしょう。
タイヤ交換時の選択肢も豊富で、コストパフォーマンスに優れた商品を見つけやすいという利点も見逃せません。
タイヤ外径の許容範囲は「-3%~+2%」

タイヤ外径の変更には、厳密な基準が設けられています。
道路運送車両法では、純正タイヤを基準として外径の変更範囲を「-3%~+2%」と定めました。
例えば、純正タイヤの外径が600mmの場合、許容される範囲は582mm~612mmになります。
この基準を超えると、車検時に不適合となってしまいます。
タイヤ外径の変更は、車両の様々な性能に影響を与えるため、慎重な判断が求められるでしょう。
特にスピードメーターの誤差は重要な問題で、外径が大きくなると実際の速度より遅く表示される傾向にあります。
タイヤ外径の確認は、専門店での実測か、タイヤメーカーが公開している諸元表で行うのがベストです。
純正サイズからの変更を検討する際は、必ず事前に詳しいチェックを行いましょう。

ロードインデックス(荷重指数)の基準も要チェック

タイヤの荷重指数(ロードインデックス)は、車検基準において重要な要素です。
この数値は、タイヤが安全に支えられる最大重量を示しており、純正タイヤと同等以上の値が必要となります。
例えば、ロードインデックス「91」(215/50R17 91)は615kgの荷重に耐えられることを表しています。
車両重量に応じた適切なロードインデックスの選択は、安全性確保の観点から欠かせません。
仮に4本のタイヤで車両を支える場合、車両重量の15倍以上の荷重指数を持つタイヤを選ぶことが推奨されているでしょう。
純正タイヤよりも低いロードインデックスのタイヤを装着すると、車検時に不適合となる可能性が高いため注意が必要です。
安全性を考慮し、純正と同等以上の荷重指数を持つタイヤを選択しましょう。
フェンダーからのはみ出しは10mm未満が基準

タイヤのフェンダーからのはみ出しについて、道路運送車両法による厳格な基準が定められています。
フェンダーからのはみ出し量は10mm未満に収める必要があり、これを超過すると車検不適合となってしまいます。(フェンダーの中心から前方に30度、後方に50度の角度の範囲内)
参照元(道路運送車両の保安基準):https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/S100.pdf
タイヤがフェンダーからはみ出すと、走行時の泥はねや小石の飛散、雨天時に後続車への水しぶきが増加して視界を妨げる危険性が高まります。
また、タイヤハウス内の泥はねによって車体を傷める可能性も懸念されるため、適切なクリアランスの確保が不可欠です。
フェンダーとタイヤの関係性を確認する際は、車両を水平な場所に停車させた状態で測定を行いましょう。
タイヤの外側面がフェンダーの端面から10mm以上はみ出していないかを、メジャーやスケールを使って正確に計測することがポイントになります。
車検時には、整備士がタイヤの取り付け状態を入念にチェックします。
フェンダーからのはみ出しが基準値を超えている場合は、タイヤサイズの変更やフェンダー形状の修正が必要となるケースもあるため、事前の確認が大切です。
車検に通らないタイヤの具体例と注意点

タイヤの車検基準に関して、具体的な不適合事例を把握しておくことは、安全な車両運行と法令順守の観点から非常に重要です。
車検時には、タイヤの状態や装着方法について厳密な検査が行われ、基準を満たさないものは不合格となってしまいます。
これは、不適切なタイヤの使用が重大な事故につながる可能性があるためです。
具体的には、タイヤの溝深さが基準値を下回っている場合や、フェンダーからタイヤがはみ出している状態、スピードメーターの誤差が許容範囲を超えているケース、タイヤが車体に接触して異音や振動が発生するような状況などが、車検不適合の代表的な事例として挙げられます。
以下で、それぞれの具体的な基準値や判定方法について詳しく解説していきます。
タイヤの溝が1.6mm以下の場合は即アウト

タイヤの溝深さは車検の合否を左右する重要なポイントです。
道路運送車両法の保安基準では、タイヤ溝の深さが16mm以下の場合、即座に不合格となってしまいます。
参照元(保安基準第9条):https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/S089.pdf
実際の測定には、専用のデプスゲージを使用して溝の深さを計測していきます。
タイヤの中央部だけでなく、両サイド部分も含めた3か所以上での測定が必要となりました。
特に前輪は操舵性に直結するため、より厳しくチェックされます。
この基準値は、雨天時のハイドロプレーニング現象を防ぐために設定された数値でしょう。
タイヤ溝の摩耗限界を示すスリップサインは、1.6mmの位置に設置されているのが一般的。このラインが地面と同じ高さになった時点で交換時期と判断できます。
安全面を考慮すると、スリップサインが出る前の2mm程度での交換がオススメ。
メーカーによって若干の違いはありますが、新品時のタイヤ溝は約8mm前後の深さがあるものです。
定期的な点検を行い、溝の残り具合をしっかりと確認することが大切です。
タイヤ変更によるスピードメーター誤差の注意点

タイヤ外径を変更すると、スピードメーターの表示に誤差が生じる可能性が高まります。
道路運送車両法では、速度計の誤差は実際の速度に対して10km/h以内という基準が定められています。
タイヤ外径が大きくなると実際の速度より遅く表示され、小さくなると速く表示される傾向にあるでしょう。
このような誤差は、高速道路での制限速度違反や、追突事故のリスクを高める要因となってしまいます。
タイヤ外径の許容範囲は純正サイズから-3%~+2%以内と定められているため、この範囲を超えるサイズ変更は車検不適合。
変更後の外径を計算する際は、タイヤメーカーが公表している外径データを参考にするのがベスト。
国土交通省の通達では、速度計の誤差が基準値を超えた場合、車検証の記載事項の変更や構造等変更検査が必要になる場合も。
安全な車両運転のために、タイヤ交換時は必ず外径変更による影響を確認しましょう。
車体やフェンダーに干渉するタイヤは使用不可

タイヤが車体やフェンダーに干渉する状態は、車検で重大な不適合事項となります。
道路運送車両法施行規則第9条では、タイヤが他の部分と接触してはならないと明確に規定されています。
実際の車検現場では、タイヤを最大限ステアリングを切った状態で、フェンダーやブレーキホース、サスペンションとの干渉がないかを入念にチェックしましょう。
特にインチアップやワイドタイヤに交換した場合は要注意です。
タイヤがフェンダーに接触すると、走行中に異常な摩耗や破損を引き起こす可能性があり大変危険。
サスペンションの動きを妨げることで、車両の挙動が不安定になるリスクも高まってしまいます。
タイヤサイズを変更する方法と特徴

タイヤサイズの変更は、車の性能や見た目を大きく変えられる重要なカスタマイズポイント。
適切な方法で行えば、走行性能の向上や見た目の印象を劇的に変えることができます。
タイヤサイズの変更方法は、主にインチアップとインチダウンの2種類があります。
インチアップは大径化によって走行安定性や見た目の迫力を向上させ、インチダウンは乗り心地や燃費の改善を図れます。
以下で、それぞれの特徴と注意点について詳しく解説していきます。
インチアップの特徴と注意点

タイヤのインチアップは、見た目のカスタマイズ効果が高い人気の改造方法です。
純正サイズより大きなタイヤに変更することで、車のスタイリングが大幅に変わります。
ただし、インチアップには重要な注意点がいくつかあるでしょう。
まず、タイヤ外径は純正から-3%から+2%の範囲内に収める必要があります。
また、ホイールの変更に伴い、ブレーキキャリパーとの干渉や、フェンダーからのはみ出しにも気を配らなければなりません。
インチアップによってタイヤの重量が増えることで、燃費の悪化や加速性能の低下を招く可能性も。
さらに、タイヤ価格自体が高くなる傾向にあるため、維持費の上昇も考慮に入れましょう。
タイヤサイズの変更は、見た目の満足度と実用性のバランスを慎重に検討することがポイントです。

インチダウンの特徴と注意点

インチダウンは、純正タイヤよりも小さいサイズに変更する手法です。
タイヤの価格を抑えられる点が大きなメリットとなっています。
特に、高級車やスポーツカーの純正18インチ以上のタイヤを16〜17インチにダウンさせることで、維持費を大幅に節約できるでしょう。
ただし、インチダウンには注意すべき点がいくつか存在します。
車両の最低地上高が下がることで、縁石や段差での接触リスクが高まってしまいます。
また、ブレーキキャリパーとホイールが干渉する可能性もあるため、事前の確認が不可欠となりました。
インチダウン時は、外径を純正サイズの-3%から+2%以内に収める必要があり、道路運送車両法の保安基準で定められた規定値となっています。
例えば、225/45R18から205/55R16への変更は、外径差が許容範囲内に収まるケースが多いでしょう。
タイヤのロードインデックスも重要なポイントです。車両重量に対して適切な値を選択しなければ、車検時に不適合となる可能性が高まってしまいます。
専門店で相談しながら、最適なサイズを選定することをおすすめします。
タイヤサイズを変えるメリットとは?

タイヤサイズの変更は、車の性能向上とカスタマイズの両面で大きなメリットをもたらします。
適切なタイヤサイズへの変更によって、ハンドリング性能の向上や走行安定性の改善が期待できます。
例えば、インチアップによってワイドタイヤを装着すれば、路面との接地面積が増加し、コーナリング時のグリップ力が向上します。
また、ローダウンと組み合わせることで、重心が下がり車体の安定性も増すでしょう。
タイヤサイズの変更は、見た目の印象を大きく変えることができ、車の個性を引き出すカスタマイズとしても人気があります。
純正サイズから適度なインチアップを行うことで、スポーティでアグレッシブな印象に仕上がります。
例えば、16インチから17インチへの変更は、多くの車種で好まれる定番のカスタマイズ方法です。

走行性能やコーナリング性能の向上

タイヤサイズを変更することで、走行性能が大幅に向上します。
特に、インチアップすることでコーナリング時の安定性が増し、ハンドリングの正確性も高まるでしょう。
ワイドタイヤに変更すれば、路面との接地面積が増えて、グリップ力が向上することも。タイヤサイズの変更は、ブレーキ性能にも影響を与えます。
タイヤ幅を10mm広げるだけで、制動距離が約2メートル短縮される場合もあり、高速道路での車線変更時の安定性も上がります。
スポーツ走行を楽しむドライバーにとって、タイヤサイズの変更は魅力的な選択肢となっています。
例えば、17インチから18インチへのインチアップで、コーナリング時のボディロールを抑制できます。
外観デザインの改善とカスタマイズ性の向上

タイヤサイズの変更は、車のスタイリングを大きく変える効果的なカスタマイズ手法です。
インチアップにより、ホイールの存在感が増し、サイドビューがよりスポーティな印象に変わります。
タイヤの扁平率を下げることで、サイドウォールがスリムになり、洗練された都会的なデザインを実現できるでしょう。
カスタマイズの自由度も大幅に向上するのがポイント。
純正ホイールでは実現できない、BBS、RAYS、WORKなど人気ブランドの個性的なデザインホイールが選択可能に。
タイヤハウスの空間を効果的に埋めることで、全体的なバランスも改善されます。
ただし、見た目重視のカスタマイズは慎重に進める必要があります。
フェンダーからのはみ出しは10mm未満に抑え、車検基準に適合させなければなりません。
また、タイヤ外径は純正比-3%~+2%の範囲内に収めることが重要。
デザイン性と法規制の両立を図るには、専門店でのシミュレーションが有効な手段となるはずです。

タイヤサイズ変更のデメリットと注意点

タイヤサイズを変更する際には、デメリットや注意点をしっかりと理解しておく必要があります。
タイヤサイズの変更は、車両の基本性能に大きな影響を与える可能性があります。
例えば、インチアップによって大径タイヤに変更すると、路面からの衝撃が大きくなり乗り心地が悪化する傾向に。
また、タイヤが重くなることで燃費が5〜10%程度悪化するケースも珍しくありません。
さらに、ホイールの大径化に伴い、タイヤ価格も純正品と比べて1本あたり1万円以上高くなることも。
スポーツタイプのタイヤは摩耗も早いため、交換サイクルが短くなり維持費の増加にもつながります。

乗り心地や燃費性能が悪化する可能性

タイヤサイズを変更すると、乗り心地や燃費性能に大きな影響を及ぼす可能性があります。
特に純正サイズから大きく外れたタイヤを装着した場合、サスペンションの性能が低下し、路面からの衝撃が直接車体に伝わりやすくなることも。
燃費面では、タイヤが大きくなることで車両の転がり抵抗が増加。
その結果、同じ距離を走行するのに必要な燃料が5〜10%程度増えることも珍しくありません。
また、タイヤ重量の増加は、加速性能や制動性能にも悪影響を与えるでしょう。乗り心地の変化は、特にインチアップ時に顕著に表れます。
長距離ドライブ時の疲労度も高まる傾向にあり、安全性の観点からも注意が必要です。

タイヤ価格や維持費用が高くなる場合も
タイヤサイズを変更すると、維持費用の増加は避けられません。
インチアップを行った場合、タイヤ価格は純正サイズと比べて10~30%ほど高額になることも。
例えば、トヨタ・カローラで純正16インチから17インチにサイズアップすると、1本あたり1万円程度の価格差が生じます。
タイヤ交換時期も純正品より早まる傾向にあり、年間の維持費は5万円以上増加する可能性があります。
また、大径タイヤは路面との接地面積が広がることで転がり抵抗が増加。燃費は5~10%ほど悪化する傾向に。
タイヤサイズ変更後は、空気圧管理にも注意が必要です。適正空気圧を保てないと、タイヤの偏摩耗が進行して寿命が短くなってしまいます。

タイヤサイズ変更後の空気圧管理のポイント

タイヤサイズを変更した後は、適切な空気圧管理が車両の安全性と性能を左右する重要なポイントです。
タイヤの空気圧は、車両重量やタイヤの規格によって適正値が異なるため、変更後のタイヤに合わせた細やかな調整が必要。
純正タイヤとは異なる規格のタイヤを装着した場合、メーカー指定の空気圧をそのまま適用すると、走行安定性や燃費に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
例えば、17インチから18インチにインチアップした場合、タイヤの偏平率が変わることで接地面積や空気容量が変化。
このため、純正タイヤの空気圧をそのまま使用すると、乗り心地が硬くなりすぎたり、逆に不安定になったりする場合があります。
変更後のタイヤサイズや車両重量を考慮して、最適な空気圧を設定することが大切です。
標準規格タイヤに変えた場合の空気圧設定

標準規格タイヤへの変更後は、適切な空気圧管理が走行安全性を大きく左右します。
一般的な乗用車の場合、フロントタイヤは220~230kPa、リアタイヤは210~220kPaが推奨値となるでしょう。
この数値は、車両メーカーが定めた純正タイヤの空気圧を基準に設定されています。
タイヤの空気圧は、外気温や走行状況によって変動するため、月1回以上の定期点検が必要です。
特に長距離走行や高速道路利用の前には、必ず空気圧チェックを実施しましょう。
空気圧が低すぎると、燃費悪化やタイヤの偏摩耗を引き起こす原因となります。
空気圧の測定は、タイヤが冷えている状態で行うのがベスト。
運転直後は熱でタイヤ内の空気が膨張しているため、正確な測定値が得られないからです。
空気圧ゲージを使用して、各タイヤの空気圧を均等に保つことがポイントとなります。
空気圧の設定値は、車両の取扱説明書やドアポストに貼付されているステッカーで確認できます。

XL規格(欧州タイヤ規格)タイヤの場合の空気圧設定

XL規格タイヤは、標準タイヤよりも高い空気圧での使用が前提となっています。
一般的な乗用車の場合、XL規格タイヤの推奨空気圧は260kPaから320kPaの範囲で設定されるでしょう。
この数値は、標準タイヤの設定値よりも約20%高めです。
高性能車やSUVに装着される場合、メーカー指定の空気圧は340kPaに達することも珍しくありません。
空気圧が低すぎると、タイヤの耐荷重性能が十分に発揮されず、走行安定性が損なわれる可能性があります。
タイヤの側面に「XL」や「REINFORCED」の表記があれば、必ず専用の空気圧設定値を守りましょう。
空気圧の確認は、タイヤが冷えている状態で月1回以上実施することをお勧めします。
XL規格タイヤは、高い内圧に耐えられる強化構造を採用しているため、適切な空気圧管理によって本来の性能を最大限に引き出すことが可能です。

タイヤサイズと車検基準に関するよくある質問

タイヤサイズの変更に関して、多くのドライバーが疑問や不安を抱えています。
車検基準や法規制に関する質問が特に多く寄せられており、正確な知識を持つことが安全なカーライフには欠かせません。
具体的には、速度計の誤差許容範囲や、ホイール強度の基準、変更後の各種手続きなど、実務的な疑問が数多く存在するのが現状です。
タイヤサイズの変更は、見た目の印象を大きく変えるだけでなく、車両の性能や安全性にも直結する重要な要素となります。変更を検討する際には、法規制や車検基準を十分に理解し、適切な判断を下すことが求められるでしょう。
以下では、タイヤサイズ変更に関する代表的な疑問について、具体的な数値や基準を交えながら詳しく解説していきます。
タイヤサイズ変更後の速度計誤差はどの程度まで許容される?
速度計の誤差は道路運送車両法で厳しく規定されており、実際の速度よりも遅く表示される場合は特に注意が必要。
一方で、実際の速度よりも速く表示される場合は、最大で+10%までが許容範囲となっています。
タイヤサイズを変更すると、外径の違いによって速度計の表示に誤差が生じる可能性が高まるでしょう。
例えば、純正タイヤの外径が600mmで、実際の速度が60km/hの場合、速度計は最大66km/hまでの表示であれば基準をクリアできる可能性があります。
タイヤ外径を大きくすると実際の速度より遅く表示され、逆に小さくすると速く表示される傾向にあるため、慎重な選択が求められます。
国土交通省の基準では、タイヤ外径の許容範囲は純正サイズから-3%~+2%以内と定められました。
この範囲内であれば、速度計の誤差も許容範囲に収まる可能性が高いでしょう。
ただし、タイヤメーカーによって同じサイズ表記でも実際の外径が若干異なることがあるため、専門店での確認をお勧めします。
基準値を超える誤差がある場合は、速度計の再調整やタイヤサイズの見直しが必要となるため、事前に十分な注意が必要です。

ホイール強度の基準を確認する方法は?

ホイール強度の基準は、JWL(Japan Light Alloy Wheel)やVIA(Vehicle Inspection Association)マークで確認できます。
これらのマークは、日本自動車タイヤ協会(JATMA)が定める安全基準を満たしていることを示す重要な指標でしょう。
JWLマークは、アルミホイールの基本的な強度基準をクリアしていることを表しています。
一方、VIAマークは、より厳しい試験をパスした製品に与えられる認証マークです。
ホイール裏面に刻印されている数値から、適正な荷重やサイズを読み取ることが可能。
純正ホイールから社外品に交換する際は、車両重量に対する耐荷重値を必ずチェックしましょう。
特に軽量化を重視した製品では、強度が不足する可能性も考えられます。
安全性を確保するため、JWLやVIAマークのない並行輸入品やノーブランド品の使用は避けるべきでしょう。
車検時にはこれらの基準適合マークの有無も厳しくチェックされることを覚えておきたいものです。
まとめ

タイヤサイズの変更は、車の走行性能や見た目を向上させるカスタマイズですが、道路運送車両法の基準を満たさないと車検に通りません。
車検に通る基準
- タイヤ外径:純正サイズの-3%~+2%以内
- フェンダーからのはみ出し:10mm未満
- ロードインデックス:車両重量に適合
- 溝の深さ:1.6mm以上
違法とされるケース
- 外径が基準を超える
- フェンダーから10mm以上はみ出す
- 車体やサスペンションに干渉する
メリットと注意点
- インチアップ:見た目が良くなりハンドリング向上(ただし燃費悪化)
- インチダウン:乗り心地向上・コスト削減(最低地上高に注意)
適切なサイズ選びをすれば、安全かつ合法的なカスタマイズが可能です。事前に基準を確認し、慎重に選びましょう。
