車のホイール選び、迷いますよね。
特に「鋳造(ちゅうぞう)ホイール」は、どんなものなのか?
どんなメーカーが作っているのか、メリットやデメリットは何か?
気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、車の鋳造ホイールに関する疑問にタイヤショップで働いた経験をもとに鋳造ホイールの特徴や注意点について紹介します。
ホイール選びの参考にしていただけたらと思います。
鋳造ホイールとは?鍛造との違いも解説

アルミホイールには、「鋳造」と「鍛造」という2つの主な製造方法があります。
鋳造ホイールは、溶かしたアルミ合金を型に流し込み、冷却・成形するという方法で作られます。
一方で、鍛造ホイールは、アルミ合金に圧力をかけて成形。
鋳造ホイールの特徴は、製造コストが低く、複雑なデザインが可能な点にあります。
そのため、多くの市販車に純正採用されているホイールも鋳造製法で作られています。
鍛造ホイールについては以下の記事で紹介しています。

鋳造ホイールのメリットとデメリット

鋳造ホイールは、コストパフォーマンスの高さとデザインの豊富さが魅力のホイールです。
ここでは、鋳造ホイールを選ぶうえで知っておきたい「メリット」と「デメリット」を詳しく解説します。
鋳造ホイールのメリット

鋳造ホイールの魅力は、なんといっても“手の届きやすさ”と“豊富な選択肢”
実用性と見た目を両立させたいユーザーにとって、最適な選択肢のひとつです。
- 価格が安い
鋳造ホイールは製造工程が比較的シンプルで、大量生産が可能。そのため、1本あたり数万円程度から購入でき、コストパフォーマンスに優れています。 - デザインの自由度が高い
液体状のアルミを型に流し込むため、複雑で立体的なデザインのホイールも作りやすいです。見た目にこだわる方には選択肢が豊富。 - カラーバリエーションも豊富
各メーカーから、ブラック、ブロンズ、ポリッシュ仕上げなど、多彩なカラーが展開されています。 - 多くのサイズと種類がある 軽自動車からミニバン、SUVまで、幅広い車種向けのラインナップが充実しています。
鋳造ホイールは幅広いニーズに対応できる点で、多くのユーザーに支持されています。
鋳造ホイールのデメリット

一方で、鋳造ホイールには性能面での注意点もあります。
特にスポーツ走行や過酷な路面環境での使用を考えている方は、デメリットも把握しておく必要があります。
- 鍛造より強度・軽さに劣る
一般的に、鋳造ホイールは鍛造に比べて重量が重く、剛性もやや劣る傾向があります。ハードな走行を前提とするスポーツ走行などには不向きなことも。 - 衝撃に弱く、割れやすい
鋳造ホイールは、内部に微細な気泡ができやすく、強い衝撃を受けると割れてしまうことがあります。特に縁石への接触や段差に注意が必要です。
このような弱点を理解したうえで、走行スタイルに合った選び方をすることが大切です。
鋳造ホイールの有名メーカーとブランド

鋳造ホイールは、多くのホイールメーカーがラインナップしており、デザイン性や価格帯の幅広さが魅力です。
ここでは、代表的な鋳造ホイールメーカーと、それぞれの特徴をご紹介します。
ENKEI(エンケイ)

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日本を代表するホイールメーカーで、国内外の自動車メーカーにも純正供給している実力派。
製品の多くが鋳造製法で作られており、コストパフォーマンスに優れたモデルが揃います。
注目すべきは「MAT製法(Most Advanced Technology)」という独自の製造技術。
これは鋳造のあとにホイールの一部を回転鍛造することで、鍛造に近い軽量・高剛性を実現した製法です。
スポーツ志向の「PFシリーズ」などは、軽量・高性能を求めるユーザーにおすすめです。
⇒ ENKEIの鋳造ホイールをYahoo!ショッピングでチェックする
WORK(ワーク)

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ドレスアップホイールに強い、国内の人気ホイールメーカー。
鋳造をベースにした2ピース・3ピース構造のホイールを多く展開しており、カラーやリム幅などのカスタム性の高さが魅力。
「リザルタード」「シュヴァート」など、ミニバンやセダンを華やかに彩るモデルが豊富。
街乗り用からスポーティな走りを意識したモデルまで、幅広く対応しています。
⇒ WORKの鋳造ホイールをYahoo!ショッピングでチェックする

Weds(ウェッズ)

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「LEONIS(レオニス)」や「Kranze(クレンツェ)」など、ドレスアップ系の鋳造ホイールブランドが人気。
立体感のあるデザインや光沢仕上げが特徴的で、車の雰囲気を一気に変える存在感があります。
価格帯も比較的手頃で、初めてのホイールカスタムにも最適なブランドです。
⇒ Wedsの鋳造ホイールをYahoo!ショッピングでチェックする
RMP / Exceeder(レアマイスター・エクシーダーなど)

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オートバックスやタイヤ専門店で取り扱いがある手頃な価格の鋳造ホイールブランド。
シンプルでクセのないデザインが多く、純正ホイールからの置き換えにおすすめです。
価格を抑えつつ、見た目をおしゃれにしたいユーザーに人気があります。
他にもさまざまな鋳造ホイールがあります。
鋳造ホイールの寿命やメンテナンスの注意点

鋳造ホイールは、適切に扱えば5〜10年程度は使用可能と言われています。
しかし、使い方や保管状況、走行環境によっては寿命が短くなってしまうことも。
ここでは、鋳造ホイールをより長く安全に使うために、日頃から意識したいポイントを解説します。
衝撃に注意

鋳造ホイールは製造過程の特性上、強い衝撃に弱い傾向があります。
たとえば、縁石や段差に勢いよく乗り上げてしまうと、クラック(ひび割れ)や変形、最悪の場合は破損につながることも。
特に、タイヤの側面が薄い低扁平タイヤ(例:45や40扁平など)と組み合わせている場合は、ホイールへのダメージが直接伝わりやすいため注意が必要です。
走行中、違和感や振動を感じたら、すぐにホイールの状態を確認しましょう。
腐食・サビの防止

冬場や沿岸地域では、融雪剤や海水による「塩害」も注意すべきポイントです。
これらはホイールの表面に腐食を引き起こし、見た目が悪くなるだけでなく、耐久性の低下にもつながります。
対策としては、以下のようなケアがおすすめです。
- 走行後は早めに水で洗い流す
- 冬季はこまめに洗車を行う
- 防錆コーティングされたホイールを選ぶのも有効
特に降雪地域では、融雪剤をそのままにしないことがホイール長持ちのコツです。
定期的な点検

ホイールは消耗品ではありませんが、使用とともに徐々に劣化していく部品です。
特に、目に見えにくいヒビやゆがみは、放置すると走行中のトラブルにつながることも。
洗車やタイヤ交換の際に、以下の部分をチェックしましょう。
- リムの内側・外側にひびや曲がりがないか
- スポークに変色・クラックがないか
- ナットの締め付け部に異常がないか
もし気になる異常を見つけたら、無理に使い続けず、専門店での点検・交換をおすすめします。
鋳造ホイールはこんな人におすすめ

ホイール選びに迷っている方の中には、「できるだけコストは抑えたいけれど、見た目にはこだわりたい」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方にぴったりなのが、鋳造ホイールです。幅広いデザインや価格帯があり、愛車の雰囲気を手軽に変えられるのが魅力です。
- 見た目にこだわりたい
- コストを抑えてホイールを交換したい
- 通勤・街乗り中心の使用
- 軽自動車やミニバン、SUVのドレスアップを楽しみたい
鍛造ホイールほどの性能は求めていないけれど、デザイン性や価格とのバランスを重視したい方には鋳造ホイールがおすすめです。
新車人気ランキング上位車種におすすめの鋳造ホイール

以下は、2025年の新車総合人気ランキング上位5車種に対して、それぞれにマッチするおすすめの鋳造ホイールのご提案です。(2025年3月時点)
すべて街乗りやドレスアップに最適なコスパ・デザイン性重視の鋳造ホイールを選定しました。
1位:ホンダ N-BOX

標準タイヤサイズ:155/65R14(14インチ)または 165/55R15(15インチ)
おすすめの鋳造ホイール
- Weds レオニス WX(14・15インチ対応)
→ 光沢あるポリッシュ仕上げで、N-BOXのスタイリッシュさをさらに強調。足元に高級感をプラス。 - HOT STUFF G.Speed G-07
→ シンプルかつスポーティな10本スポークデザイン。軽量・低価格が魅力で、普段使いに最適。
N-BOXの年式、型式、タイヤサイズに注意してホイールセットを選んでください。
【適合車種:ホンダ N BOX(JF3系 NA車 2WD)2017- サマータイヤセット】 ダンロップ ダンロップ EC20…
2位:トヨタ ヤリス(ガソリン・ハイブリッド)

標準タイヤサイズ:175/70R14、185/60R15、195/50R16(グレードによる)
おすすめの鋳造ホイール
- ENKEI PF01(15・16インチ)
→ 軽量かつ剛性の高い鋳造ホイール。走りにこだわる方におすすめ。 - Weds レオニス VT(15・16インチ)
→ 複雑なメッシュデザインでドレスアップ性抜群。ヤリスのスポーティさが際立ちます。
【適合車種:トヨタ ヤリス(10系)2020-】 DUNLOP ディレッツァ DZ102 195/50R16 夏用タイヤとホイールの4本…
3位:ダイハツ タント

標準タイヤサイズ:155/65R14 または 165/55R15
おすすめの鋳造ホイール
- KYOHO スマック レジーナ(14・15インチ)
→ モダンなデザインとコスパの良さが魅力。純正交換としても使いやすい。 - RMP RACING R50
→ 軽自動車向けにデザインされたスポーティモデル。ブラックポリッシュがオシャレ。
【適合車種:ダイハツ タント(LA650系電動パーキングあり)2022-】 ヨコハマ Bluearth Es ES32 165/55R15 75 …
4位:トヨタ カローラ(セダン/ツーリング)

標準タイヤサイズ:195/65R15、205/55R16、215/45R17(グレードにより)
おすすめの鋳造ホイール
- WedsSport SA-75R(16・17インチ)
→ スポーティなY字スポークが魅力。軽量でドライビングフィールも◎ - WORK エモーション CR Kiwami(16・17インチ)
→ 見た目重視派に人気のモデル。上品で力強いスタイルがカローラによく似合います。
【適合車種:トヨタ カローラ ツーリング(210系)2019-】 ダンロップ エナセーブ EC204 215/45R17 夏用タイヤ…
5位:トヨタ シエンタ

標準タイヤサイズ:185/60R15、195/50R16(ガソリン・HV)
おすすめの鋳造ホイール
- Weds レオニス GX(15・16インチ)
→ 家族向けのシエンタに、上品さと存在感をプラス。ミニバン向けに最適。 - BLEST バーンシュポルト タイプ504
→ ツヤ感あるブラック×ポリッシュのデザインで、足元が引き締まります。
【適合車種:トヨタ シエンタ(10系)2022-】 ヨコハマ Bluearth GT AE51 205/45R17 88 夏用タイヤとホイール…
まとめ|鋳造ホイールは価格とデザインのバランスが魅力

鋳造ホイールは、手頃な価格とデザイン性の高さで、多くのドライバーに選ばれています。
- 製造コストが抑えられるため安価
- デザインやカラーバリエーションが豊富
- 衝撃にはやや弱いため注意が必要
BBSやRAYSのような高級鍛造ホイールとは異なりますが、日常使いには十分な性能を備えており、車の印象を変えたい方には非常に魅力的な選択肢です。
自分のライフスタイルや予算に合わせて、最適なホイールを選びましょう。