引っ張りタイヤはどのようなタイヤなの?
- どうして引っ張りタイヤを使うの?
- 特徴や注意点は?
- おすすめのメーカーは?
ここでは、引っ張りタイヤの疑問に答えます。
引っ張りタイヤとは?

引っ張りタイヤを実現するには、ホイール幅に対して細めのタイヤを組み合わせる必要があります。
幅のあるホイールに細めのタイヤを装着するとサイドウォールが引っ張られる形状となり、独特のスタイルが生まれます。
一般的に、純正サイズではタイヤとホイールの幅が適正範囲内に収まるよう設計。
しかし、カスタムの一環としてホイール幅を広げつつ、タイヤのトレッド幅を変えずに装着することで、引っ張りタイヤの状態になります。
例えば、9J(9インチ幅)のホイールに225/40R18のタイヤを装着すると、引っ張り形状が強調。
サイズの選び方によって、引っ張り具合も変わります。
8.5Jホイールに225/45R18を組み合わせる場合は軽めの引っ張りになるが、10Jホイールに同じ225/40R18を装着すると、より極端な引っ張り状態になります。
ホイールのインセット(オフセット)も関係し、適切なサイズを選ばないとフェンダーへの干渉や走行性能の低下につながるため注意してください。
引っ張りタイヤは、ホイールの幅、タイヤの幅、タイヤの偏平率の関係性が重要です。
ホイール幅はこちらの記事を参考にしてください。
⇒ ホイールの幅を測ってみました
なぜ引っ張りタイヤを装着するの?

基本的にはドレスアップ、カスタム向けに引っ張りタイヤを装着します。
引っ張りタイヤを装着することでメリットがあります。
- タイヤのショルダーが寝ることで干渉を減らすことができる
- 車高を低くすることができる
- タイヤが薄く見える
このような見た目の部分に関するメリットが多いため、ドレスアップをする方や車を改造する方に人気なのが引っ張りタイヤです。

引っ張りタイヤにはデメリットがあります。
サイズにもよりますが、適正ではないタイヤの組み付けになり タイヤの肩の部分(ショルダー) に負担がかかりやすいです。
走行中にバーストしやすくなったり、タイヤが外れやすくなったりする危険性もあります。
特に空気圧の管理が必要になるため、通常のタイヤよりも空気圧を多めに入れる必要があります。
ドアなどに書いてある純正のタイヤ空気圧では少な過ぎになりますので適正な空気圧にしてください
(大体3キロ以上入れることは多いです)

タイヤの角が寝るため偏摩耗にもつながりますので、キャンバーが付いている車だとタイヤの寿命が短くなることも考えられます。
極端にタイヤの内側が減って、タイヤのワイヤーが見えることもありますので、定期的に確認してください。
タイヤの外形が変わりすぎるとスピードメーターの狂いも生じるため、タイヤの外径にも注意が必要です。
引っ張りタイヤには、メリットとデメリットがあり、基本的にはドレスアップ、カスタムする方向けのため、リスクが増えますので十分注意してください。
引っ張り具合によっては車検もNGになります。
引っ張りタイヤの空気圧に注意

引っ張りタイヤを装着する際、適切な空気圧管理が必要になります。
標準的なタイヤと比べてサイドウォールの張りが強くなり、ビード部分に大きな負荷がかかるため、低すぎる空気圧ではビード落ちや変形のリスクが高まります。
一般的なタイヤの適正空気圧は220~250kPa程度ですが、引っ張りタイヤでは250~300kPa程度に調整するのが望ましい。
例えば、225/40R18のタイヤを9Jホイールに装着した場合、空気圧を280kPa以上に設定することで、適正な剛性を維持できます。
XL(エクストラロード)規格のタイヤを使用する場合は、さらに高めの空気圧が必要です。
どこのメーカーのタイヤが引っ張りに向いているの?

タイヤには様々なメーカーがあり、それぞれの特徴があります。
同じサイズであっても、タイヤの作りは異なっていて、引っ張りタイヤに向いているメーカーや、向いていないメーカーもあります。
またメーカーだけではなく、タイヤの銘柄による違いもあります。
一般的に人気が高い引っ張りメーカーは、ナンカン、クムホ、ハンコック、ネクセンなどのアジアンタイヤの人気が高いです。
人気のメーカー

タイヤメーカーによっても、引っ張り具合に違いが出ます。
例えば、ナンカンの「NS-20、NS-2R」やATRスポーツの「ATR-K Sport」などは、サイドウォールが比較的硬く、引っ張り状態でも安定しやすいです。
一方で、コンフォートタイヤのような柔らかいサイドウォールの製品は、極端な引っ張りには向いていません。
アジアンタイヤの価格が安いということもありますが、タイヤサイズが豊富で、国内メーカーにはないサイズがあるのも人気の理由です。
メーカーの一例

引っ張りタイヤに適したメーカーを選ぶ際、重要なのはサイドウォールの剛性とタイヤの幅。
メーカーごとに特性が異なり、同じサイズ表記でも実際のトレッド幅やサイドウォールの強度に差があります。
特に、引っ張り仕様に向いているのは、比較的柔軟なサイドウォールを持つタイヤや、実測幅が狭めの製品。
ナンカン(NANKANG)は、引っ張りタイヤを求めるユーザーに人気が高いメーカーの一つ。
特に「NS-2」「NS-2R」「AS-1」シリーズは、比較的スリムなトレッド幅と柔軟なサイドウォールを持ち、9J以上のホイールにもきれいに収まりやすい。
価格が手頃であることも、大径ホイールに引っ張りタイヤを組みたいユーザーにとって大きな魅力。
ATR RADIAL(ATRスポーツ)も、引っ張りに適したタイヤを展開しています。
特に「ATR SPORT 2」は、海外のカスタムシーンでも評価が高く、リムに対してきれいに引っ張ることができます。
サイドウォールの剛性が適度に柔らかく、リムへのフィット感が良いため、深リムホイールとの相性も良い。
【国内メーカー】
国内メーカーのタイヤで言うと、「ブリヂストンタイヤ」はショルダー部分がしっかりしていて、引っ張っても安定感が高いです。
「ヨコハマタイヤ」は、ショルダーが寝やすいためフェンダーなどとの干渉は防ぎやすい。
国内メーカーは、タイヤサイズ設定が少なく、アジアンタイヤよりも価格が高めです。
引っ張りタイヤの場合は、装着するメーカーによってタイヤの違いが出るため、どこのメーカーを選ぶのかも重要です。
まとめ

今回は、インチアップやローダウン時に装着することもある引っ張りタイヤについて書きました。
引っ張りタイヤの定番は、価格が安めで、タイヤ幅も細めの「ナンカン」、「ハンコック」です。
引っ張りタイヤには、メリットだけでなく、デメリットがあるので、条件を確認して自分の車にあったものを装着してください。
毎日、車を乗る方は、パンクなどのリスクもあるため引っ張りタイヤの装着はおすすめではありません。
引っ張りタイヤを装着する場合は、空気圧の管理に注意してください。