タイヤチェーンを選ぶ際に見落とされやすいのが、タイヤとフェンダーの隙間である「クリアランス」の確認です。
最近の車はデザイン性や空力を重視して設計されているため、タイヤハウスに余裕が少なく、チェーンの種類によっては装着できないケースもあります。
そのため、タイヤサイズだけでなくクリアランスを含めて判断することが重要になります。
この記事では、タイヤチェーン選びで失敗しないために、クリアランスの基礎知識や測り方、車種別に注意したいポイントを分かりやすく解説します。
なぜ「クリアランス」が重要なのか?

クリアランスとは、タイヤと周辺部品(フェンダー、サスペンション、ブレーキキャリパーなど)との間にある物理的な隙間のことです。
タイヤチェーン装着時に確認すべきクリアランスは、主に以下の2箇所。
① タイヤとフェンダーの隙間
- タイヤの上部(12時の位置)
- 最も重要なクリアランス
- ここが狭いとチェーンがフェンダーに干渉
② タイヤとサスペンションの隙間
- タイヤの内側(車体側)
- サスペンションアームやショックアブソーバーとの距離
- 特にステアリング時に要注意
ここが狭いと、チェーン装着後に次のようなトラブルが起こりやすくなります。
- フェンダーやサスペンションにチェーンが干渉してしまう
- 走行中に異音や振動が発生する
- 最悪の場合、車体やタイヤを破損する危険がある
特にSUVやミニバンの一部車種、またインチアップ、ローダウン車では要注意。
「せっかく買ったのに装着できない…」という失敗を避けるためにも、まずはクリアランスを確認することが大切です。
クリアランスが狭い車の代表例

タイヤとフェンダーの間に十分な隙間がないと、チェーンの装着が難しくなります。
特に最近の車はデザイン性や走行性能を重視しているため、クリアランスが狭いケースが増えてきました。
- セレナ C28:純正状態でもタイヤハウスがタイトで、金属チェーンは干渉しやすい
- トヨタ C-HR(17インチ):ホイールサイズによってはチェーン規制対応が難しい場合あり
- ローダウン車全般:車高調整後はさらに隙間が少なくなる
このような車種では、従来の金属チェーンでは装着が難しいことが多く、代替手段が求められます。
クリアランスの狭い車に有利なのは布製タイヤチェーンです。2025年には新製品も発売されています。
クリアランス不足で起こるトラブル
クリアランスが不足していると、以下のような深刻なトラブルが発生します。
⚠️ 装着時のトラブル
- チェーンが物理的に装着できない
- 無理に装着して部品を破損
- チェーンが正しく装着されず、不安定
⚠️ 走行時のトラブル
- フェンダーにチェーンが当たり、異音が発生
- フェンダーやサスペンションの破損
- チェーンがタイヤに巻き込まれる
- ブレーキ配管の損傷(最も危険)
⚠️ 最悪のケース
- 走行中にチェーンが外れる
- タイヤがバースト
- ブレーキが効かなくなる
- 重大事故につながる可能性
実際のトラブル例
「セレナC28に金属チェーンを装着したら、走行中にガリガリ音がして、フェンダーに傷がついた。すぐに外したが、フェンダー修理に5万円かかった…」
こうしたトラブルを避けるため、購入前のクリアランス確認が絶対に必要です。
クリアランスの測り方【自分でできる簡単な方法】

購入前に、自分の車のクリアランスを測ってみましょう。
特別な工具は不要で、誰でも簡単に測定できます。
準備するもの
- 定規またはメジャー(30cm程度のもの)
- 懐中電灯(タイヤハウス内を照らすため)
- 軍手(手を汚さないため)
- スマホのカメラ(記録用、あると便利)
測定手順(所要時間:10分程度)
ステップ1:車を平坦な場所に停める
- 水平な場所に駐車
- エンジンを切る
- パーキングブレーキをかける
- 車内の荷物を降ろす(重量で車高が変わるため)
ステップ2:タイヤ上部のクリアランスを測る
測定位置: タイヤの12時の位置(タイヤの真上)
測り方:
- タイヤハウスの中に手を入れる
- タイヤの一番上の部分とフェンダー(車体)の距離を定規で測る
- 最も狭い部分の距離を記録
目安
- 50mm以上 → ほとんどのチェーンが装着可能
- 30-50mm → 非金属チェーンまたは布製チェーン推奨
- 20-30mm → 布製チェーンのみ推奨
- 20mm未満 → チェーン装着困難、要相談
ステップ3:タイヤ内側(サスペンション側)のクリアランスを測る
測定位置: タイヤの内側、サスペンションアームとの距離
測り方
- 懐中電灯でタイヤハウス内を照らす
- タイヤとサスペンションアームの最も狭い部分を測る
- ハンドルを左右に切って、ステアリング時の隙間も確認
目安:
- 20mm以上 → 安心
- 10-20mm → 薄型チェーン推奨
- 10mm未満 → 要注意、専門店に相談
測定時の注意点
❌ よくある間違い
- 荷物を積んだ状態で測る → 車高が下がり、正確な数値が出ない
- 一箇所だけ測る → タイヤは回転するため、全周で最も狭い部分を測る
- 乗員が乗った状態で測る → 重量で車高が変わる
✅ 正確に測るコツ
- 車を空の状態(乗員なし、荷物なし)で測る
- タイヤを回転させて、最も狭い部分を探す
- 左右両方の駆動輪を測る(左右で差がある場合も)
タイヤチェーンの種類とクリアランスへの影響

タイヤチェーンにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
クリアランスへの適合性も大きく異なるため、選ぶ際には必ず理解しておきましょう。
金属チェーン

もっとも古くから使われているタイプで、圧雪路やアイスバーンでのグリップ力は抜群です。
価格も比較的安価で、コストパフォーマンスを求める方には魅力的。
ただし厚みがあるため、クリアランスが狭い車には不向きです。

非金属チェーン(クイックイージーなど)

樹脂やゴムを使用したタイプで、金属に比べると振動や走行音が少なく快適です。
工具不要で簡単に装着できるモデルが多く、初心者でも扱いやすいのが特徴。
ただし、製品によってはある程度の厚みがあるため、クリアランスの狭い車では干渉するケースもあります。

布製チェーン(オートソック、スノーソックスなど)

最近人気が高まっているタイプで、布をタイヤにかぶせるだけで装着可能。
軽量でコンパクトに収納でき、持ち運びもしやすいのが魅力です。
厚みがほとんどないため、クリアランスの狭い車でも安心して使えます。
耐久性は金属や非金属に比べて劣るものの、緊急時や一時的な走行には十分対応可能です。
👉 結論:クリアランスが少ない車に装着しやすいのは「布製タイヤチェーン」です。

車種別おすすめ例

車種やタイヤサイズごとに、適したチェーンは異なります。
ここでは代表的な例をご紹介します。
- 175/65R15 クラス(コンパクトカー)
→ 非金属チェーン「クイックイージー」が快適で静か
※クリアランス要注意 - C-HR(17インチ)
→ 布製「オートソック」で狭い隙間にも対応 - セレナ C28
→ クリアランスが特に狭いため、布製チェーンが現実的な選択肢
※バイアスロン・クイックイージーは、フェンダー回りは30mm必要、サスペンションとのクリアランスは20mm以上必要。
金属チェーンもクリアランスはある程度必要になり、クリアランスの少ない車には布製タイヤチェーンが有利です。
おすすめの布製タイヤチェーン

急な雪道に備えて常備するなら、軽量でコンパクトに収納でき、誰でも簡単に装着できる布製タイヤチェーンがおすすめです。
サイズ展開も豊富で、タイヤサイズごとに適合品を選べるため、迷わず購入できます。
【代表的な布製タイヤチェーン】
オートソック↓
ISSE スノーソックス↓
チェーン選びのチェックポイント

購入前に、以下のポイントを必ず確認しておきましょう。
- タイヤサイズを必ず確認(夏タイヤ・冬タイヤで異なる場合あり)
- 装着位置は駆動輪(FF=前輪、FR=後輪、4WDは注意)
- 制限速度を守る(布製チェーンは概ね50km/h以下)
- 実際に装着してみる(購入後は自宅で一度テストしておくと安心)
これらを押さえておけば、いざという時に慌てずに装着できます。
制限速度は以下の記事を参考にしてください

よくあるトラブルと対処法
実際に起こりがちなトラブルと、その対処法を紹介します。
トラブル1:購入後に装着できないことが判明
ケース
「ネットでクイックイージーを購入したが、セレナC28に装着したらフェンダーに当たって使えなかった。返品もできず、2万円が無駄に…」
原因
- 事前のクリアランス確認不足
- 適合表だけで判断(クリアランスまで確認していない)
対処法
- ✅ 購入前に必ずクリアランスを測る
- ✅ 不安な場合は、カー用品店で現物確認してから購入
- ✅ 返品可能なショップで購入する
トラブル2:走行中にフェンダーに干渉
ケース
「金属チェーンを装着して走行したら、ガリガリ音がして、フェンダーに傷がついた」
原因
- クリアランス不足
- チェーンの装着ミス
- ステアリング時にタイヤが内側に入り、干渉
対処法
- ✅ すぐに停車して、チェーンを外す
- ✅ クリアランスを再測定
- ✅ より薄いチェーン(布製など)に変更
予防策
- 装着後、低速で試走して異音がないか確認
- ハンドルを左右に切って、干渉しないかチェック
トラブル3:サスペンションに接触
ケース
「チェーンを装着してカーブを曲がったら、サスペンションアームに当たって異音がした」
原因
- サスペンション側のクリアランス不足
- ステアリング時の可動域を考慮していなかった
対処法
- ✅ すぐに停車して確認
- ✅ チェーンを外すか、より薄いチェーンに変更
予防策
- 装着後、停車状態でハンドルを左右に切る
- ステアリング時の隙間を確認
クリアランスのトラブルは、布製タイヤチェーンの方がリスクが少ないためインチアップやローダウン車に向いています。

よくある質問(FAQ)

Q1: クリアランスが25mmしかない。どのチェーンが使える?
A: 布製チェーン(オートソック、スノーソックスなど)が推奨です。
布製チェーンは厚みが数mm程度のため、クリアランスが少なくても装着可能です。
ただし、耐久性は低いため、緊急用と考えてください。
Q2: ローダウン車でもチェーンは装着できる?
A: 車高によりますが、難しいケースが多いです。
車高を30mm以上下げている場合、クリアランスが極端に少なく、布製チェーンでも装着できない可能性があります。
対処法
- スタッドレスタイヤを装着
- チェーン規制区間を避ける
- ディーラーやカー用品店で相談
Q3: クリアランスを測らずに買っても大丈夫?
A: 必ず測ってから購入してください。
「適合表に載っているから大丈夫」と思っても、クリアランスが不足していれば装着できません。
特に以下の車は要注意
- セレナ、ヴォクシーなどのミニバン
- C-HR、CX-5などのSUV
- ローダウン車
Q4: 布製チェーンはチェーン規制に対応している?
A: 製品によります。
必ず「JASAA認定」または「チェーン規制対応」と明記されているものを選んでください。
JASAA認定の布製チェーン
- オートソック(一部モデル)
- ISSEスノーソックス(一部モデル)
非認定品は、チェーン規制区間を通行できない場合があります。
Q5: 非金属チェーンの必要クリアランス30mmは絶対?
A: メーカーの推奨値です。
30mm未満でも装着できる場合もありますが、リスクがあります。
リスク
- フェンダーに接触する可能性
- ステアリング時に干渉
- 走行中の異音
30mm未満の場合は、布製チェーンをおすすめします。
まとめ:クリアランス狭めの車は「布製チェーン」を優先に

タイヤチェーン選びでは「クリアランスの確認」が最重要です。
- 金属チェーンは強力だが、狭い車では干渉リスクが高い
- 非金属チェーンは快適性に優れるが、厚みの分だけ制約あり
- 布製チェーンは薄くて柔軟性があり、狭い隙間でも装着しやすいのが最大の強み
普段雪の多い地域に住んでいない方でも、スキーや急な積雪に備えて車に積んでおくと安心です。
「クリアランスの問題でどれを選べばいいかわからない…」という方には、まず布製チェーンをおすすめします。
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