「PCDってなに?」「自分の車に合うホイールはどう確認すればいいの?」
ホイール選びで必ず出てくるのがPCD(ピーシーディ)という言葉です。
難しそうに見えますが、ポイントはシンプル。“穴の数”と“円の直径”が合えばOKという規格です。
この記事では、以下をできるだけ分かりやすく整理しました。
- PCDとは何か
- どうやって確認するのか
- 国産車・輸入車の代表的なPCD
- 間違えやすい車種
- PCDが違うときの対処法
インチアップやホイール交換で失敗しないための基礎知識としてご覧ください。
ホイールのPCDとは?

PCD(Pitch Circle Diameter:ピッチサークル・ダイアメーター)とは、ホイールのボルト穴の中心を結んだときにできる円の“直径”のことです。
簡単に言うと、「ボルト穴が並んでいる円の大きさ」を示す数値です。
なぜPCDが重要?

PCDは車のハブ(取り付け部分)とホイールを正しく噛み合わせるための“基準寸法”です。
- PCDが合わない → 物理的に装着できない
- 無理に装着 → 振動・脱落・事故リスク
そのため、ホイール交換やインチアップではPCDの確認が最優先になります。
※ PCDだけでなく「穴数(4H/5H/6H)」も一致する必要があります。
PCDだけ合っていても装着できるとは限りません
ホイール選びでよくある勘違いが、「穴数とPCDさえ合えば取り付けできる」という考え方です。
実際には、PCDが一致していても、ほかの条件が合わないと装着できなかったり、安全に使えなかったりすることがあります。
特に確認したいのは、以下のポイントです。
- ハブ径(センターホールの大きさ)
- インセット(オフセット)
- リム幅
- ナット車かボルト車か
- ナット・ボルトの座面形状
- ブレーキキャリパーとの干渉
たとえば、PCDが同じでも、ホイールのハブ径が小さいと物理的に装着できません。
逆にハブ径が大きい場合は装着自体はできることもありますが、車種によってはハブリングが必要になることがあります。
また、輸入車では「PCDは合っているのに、ボルト方式や座面形状が違って取り付けできない」というケースも少なくありません。
そのため、ホイール交換では「穴数」と「PCD」を確認したあとに、ハブ径やインセットまで含めてチェックすることが大切です。
PCDの表記の読み方(超重要)

PCDは次のように表記されます。
例:5H 114.3
- 5H → ボルト穴が5つ
- 114.3 → 穴の中心を結んだ円の直径(mm)
つまり、
- 4H/100 = 4穴・直径100mm
- 5H/114.3 = 5穴・直径114.3mm
- 6H/139.7 = 6穴・直径139.7mm
という意味です。
PCDの測り方(参考)

自分で測ることも可能ですが、基本は車検証・メーカー情報・タイヤショップの適合表を確認するのがおすすめです。
一応の目安だけ簡潔に、
- 4穴(4H):対角線のボルト穴間を直線で測る
- 5穴(5H):隣り合う穴の中心間距離 × 1.051
- 6穴(6H):対角線の距離を測る
(※実務では“測る”より“適合表で確認”が安全)
初心者向け|ホイール購入前の確認手順
「結局、自分は何を確認すればいいの?」という方は、次の順番で見ていくと失敗しにくいです。
- 車検証で年式・型式を確認する
- 純正ホイールサイズを確認する
- 穴数(4H/5H/6H)とPCDを確認する
- インセット・リム幅を確認する
- ハブ径を確認する
- ナット車かボルト車か、座面形状を確認する
- 最後に適合表で再確認する
特に注意したいのは、「同じ車名でも年式や型式でPCDが違うことがある」という点です。
車種名だけで判断すると間違えやすいため、必ず年式・型式まで確認してからホイールを選んでください。
ネット通販で購入する場合も、商品名だけで決めず、適合表やショップの確認欄を使って最終確認するのが安心です。
国産車の代表的なPCD(覚えておくと便利)

日本車でよく使われるのはこの4つです。
- 4H/100 … 軽自動車・コンパクトカー
- 5H/100 … スバル系・一部トヨタ
- 5H/114.3 … トヨタ・日産・ホンダ・三菱の多く
- 6H/139.7 … ハイエース・四駆系
国産車で一般的なPCDは、4H100、5H114.3で、少なめなのは、5H100でトヨタの86、プリウス、スバル・インプレッサなどがあります。
最近では、ほとんど見かけなくなりましたが、古い国産車だと4H 114.3もあります(ハチロク、S13シルビアなど)
国産車であれば、5穴114.3、4穴100、5穴100、6穴139.7が主流です。
5穴(5H)ホイールの代表的PCD

5H(5穴)ホイールのPCDは、以下のような車があります。
| PCD | 主なメーカー |
|---|---|
| 5H/100 | スバル・一部トヨタ |
| 5H/108 | ボルボ・プジョー・シトロエン |
| 5H/112 | VW・アウディ・BMW・ベンツ |
| 5H/114.3 | トヨタ・日産・ホンダ・三菱 |
| 5H/120 | BMW |
| 5H/130 | ポルシェ |
| 5H/139.7 | ジムニー |
| 5H/150 | ランクル |
4穴(4H)の代表例

4H(4穴)ホイールのPCDは、以下のような車があります。
6穴(6H)の代表例

6H(6穴)ホイールのPCDは、以下のような車があります。
メーカー別の“だいたいの傾向”

車種やメーカーによって、ある程度PCDは絞れます。
軽自動車は、ほとんどが4H/100のサイズで、コンパクトカーも4H/100が多いです。
エンジンパワーがあるスポーツ系や車重のあるミニバン系は5H/114.3が多く、スバルは5H/100が使われていることがほとんど。
- トヨタ:5H/114.3、4H/100、6H/139.7
- ホンダ:5H/114.3、4H/100
- 日産:5H/114.3、4H/100
- スバル:5H/100、4H/100
- 三菱:5H/114.3、4H/100、6H/139.7
- ダイハツ:4H/100
- スズキ:4H/100
※あくまで代表的な車種の場合です。OEM車などは一部異なります。
- メルセデスベンツ:5H/112
- ポルシェ:5H/130
- BMW:5H/120,5H/112
- プジョー:4H/108、5H/108
- VW、アウディ:5H/112、5H/100
※あくまで代表的な車種の場合です。
メーカーの傾向だけで決めるのは危険です
PCDにはメーカーごとの傾向がありますが、それだけで判断するのは危険です。
なぜなら、同じメーカーでも車種ごとにPCDが異なることがあり、さらに同じ車種でも世代交代やハイブリッド化によって変更される場合があるからです。
そのため、
- 「トヨタだから5H/114.3だろう」
- 「軽自動車だから4H/100だろう」
- 「輸入車だから5H/112だろう」
というような思い込みでホイールを選ぶのは避けたいところです。
実際の購入時は、メーカーの傾向はあくまで目安と考え、最終的には年式・型式・適合表で確認することが重要です。
PCDで“間違えやすい車”(要注意)

中には、PCDに注意が必要な車があります。
メーカーによって、ある程度一般的なPCDが決まっていますが、異なるPCDもあり、注意が必要です。
例えば、以下のような車種が挙げられます。
- トヨタ・カローラスポーツは5H/100(現行型カローラ)
- トヨタ・86は5H/100
- スバル・レヴォーグは5H/114.3
- トヨタ・プリウスは5H/100
- レクサスCTは5H/100
- レクサスLSは5H/120
同じ車種でも、年式やグレードによってはホール数の変化、PCDの変化があります。
例えば、ホンダ・フリードは年式、型式でPCDが異なります。
- フリード 2013 (DAA-GB3):4H/100
- フリード 2016 1.5H (DAA-GB8):5H/114.3
ライズは、ハイブリッドモデルは5Hです。
- ライズ:4H
- ライズハイブリッド:5H
特に、このような車は「年式・型式」、車のホイールもチェックすることが最重要。
スバル車も5H 114.3が増えているため注意が必要です。

PCDが合わないホイールは基本的にそのまま装着できません
当然ですが、穴数やPCDが違うホイールは基本的にそのままでは装着できません。
たとえば、
- 4H/100の車に5H/114.3のホイールを付ける
- 5H/114.3の車に5H/100のホイールを付ける
- 5H/112の輸入車に5H/114.3のホイールを付ける
といった組み合わせは、そのままでは適合しません。
「少しぐらい違っても大丈夫そう」と感じるかもしれませんが、ホイールは足回りの重要部品です。
無理な取り付けは振動や緩み、最悪の場合は脱落につながるおそれがあります。
ホイールは見た目が似ていても、規格が少し違うだけで装着不可になるため、必ず数値で確認するようにしてください。
PCD変換アダプターの活用
PCDが異なるホイールを装着する場合、PCD変換アダプターを利用する方法があります。
これは、ホイールのボルト穴位置を変更し、異なるPCDのホイールを装着可能にするアイテムです。
✅ 利点
- 純正設定にないホイールを装着できます
- 輸入車のPCDに合わせたホイールを選択可能
⚠️ 注意点
- 厚みが増すため、オフセット(インセット)の調整が必要
- 強度が求められるため、高品質な製品を選ぶ必要があります
- 車検に対応しない可能性
PCD変換アダプター本体の厚みがあり、はみ出しリスクが高くなるため注意してください。
初心者がPCD確認で失敗しないコツ
PCD確認で失敗しないためには、「見た目」や「なんとなく合いそう」で判断しないことが大切です。
とくに初心者の方は、次の3つを意識すると失敗しにくくなります。
- 車種名だけでなく、年式・型式まで確認する
- PCDだけでなく、穴数・ハブ径・インセットも確認する
- 迷ったら実測より適合表を優先する
ホイールは高額な買い物になりやすく、サイズを間違えると返品や買い直しの負担も大きくなります。
だからこそ、「PCDだけ見て終わり」ではなく、装着条件をひとつずつ丁寧に確認していくことが大切です。
まとめ

ここでは、ホイールのPCDについて紹介しました。
ホイール選びの最優先は、
- 穴数(4H/5H/6H)を合わせる
- PCDを合わせる
- その後にサイズ・デザイン・インチアップを考える
よくある国産車のPCD
- 4H/100
- 5H/100
- 5H/114.3
- 6H/139.7
ホイールを買う前に必ず年式・型式でPCDを確認してください。
ホイールの選び方は以下の記事を参考にしてください。



