レクサスでホイール交換やスタッドレスタイヤの取り付けをするとき、意外と見落とされがちなのが「ホイールナットやボルトのサイズ」です。
間違った規格のナットを使うと、ホイールがしっかり固定できず大きな事故につながる危険もあります。
そこで今回は、2010年以降に日本で販売されたレクサス車について、車種ごとのナット・ボルトサイズをわかりやすくまとめました。
これからホイール交換を考えている方や、社外ホイールを購入予定の方はぜひ参考にしてください。
ホイールナット・ボルトの基礎知識

まずは基本的な違いを確認しましょう。
- ナット式(従来型)
ホイールの穴にスタッドボルトが立っており、それにナットを締め付ける方式。
トヨタや旧型レクサスの多くはナットタイプです。 - ボルト式(新型モデルで採用)
欧州車で多い方式。ハブ側のネジ穴に直接ボルトをねじ込んで固定します。
2020年代以降の新型レクサスは、ボルト方式に順次移行しています。
この違いを知っておくと、表を見たときに「ナットが必要な車種」と「ボルトだけの車種」が一目でわかります。
ナット・ボルトの見方と基本用語解説

ホイールを固定するナットやボルトには、必ず「ネジ径」「ピッチ」「HEXサイズ」という3つの要素があります。
ネジ径(M12・M14など)

ネジ径とは、ボルトやナットの「太さ(直径)」を表す数値です。
M12/M14 の「M」はメートルねじ(metric)を意味しており、その後の数字が直径を示します。
- M12=直径12mm
- M14=直径14mm
数字が大きくなるほど太く、強度は高まります。
ただし、ホイール穴や車両側の規格に合わせる必要があるため、サイズ違いを使うことはできません。必ず車種ごとの規格を確認しましょう。
ピッチ(P1.5など)

「ピッチ」とは、ネジ山とネジ山の間隔を指します。
- レクサスでは基本的に P1.5 が主流です。
- 例:P1.5=ネジ山とネジ山の間隔が1.5mm。
見た目はほぼ同じでも、ピッチが違うナットやボルトは絶対に入りません。
HEXサイズ(HEX21・HEX17など)

ナットやボルトの頭を回す部分の「対辺幅(六角形の幅)」を表します。
- 単位はミリ(mm)で、専用のソケットレンチで回します。
- HEX21=21mmのソケットを使用
- HEX17=17mmのソケットを使用
モデルによってHEXサイズが違うため、車載工具で回せるかどうかも事前に確認しておきましょう。
セダン・クーペ系モデルのナット/ボルトサイズ

レクサスのセダンやクーペは、モデルチェンジのタイミングでナット式からボルト式に切り替わったものが多くあります。
車種名(年式) | ネジサイズ | ピッチ | HEXサイズ | 備考 |
---|---|---|---|---|
LS (~2023, ナット式) | M14 | P1.5 | HEX22 | 2023年以降はボルト式に変更 |
LS (2023~, ボルト式) | M14 | P1.5 | HEX17 | |
ES (2018~) | M12 | P1.5 | HEX21 | |
GS (2010~2019) | M12 | P1.5 | HEX21 | |
IS (~2020, ナット式) | M12 | P1.5 | HEX21 | |
IS (2021~, ボルト式) | M14 | P1.5 | HEX17 | |
RC (~2022, ナット式) | M12 | P1.5 | HEX21 | |
RC (2022~, ボルト式) | M14 | P1.5 | HEX17 | |
LC (~2023, ナット式) | M14 | P1.5 | HEX22 | |
LC (2023~, ボルト式) | M14 | P1.5 | HEX17 | |
CT (2011~2020) | M12 | P1.5 | HEX21 | |
HS (2010~2012) | M12 | P1.5 | HEX21 | |
LFA (2010~2012) | M12 | P1.5 | HEX21 |
➡ ポイント
- LSやLCなど大型サルーンはM14径を採用。
- ISやRCはマイナーチェンジでボルト式に変わっているので注意。
SUV・ミニバン・EVモデルのナット/ボルトサイズ

SUVや新型EVモデルは、ボルト式への移行が特に進んでいます。
車種名(年式) | ネジサイズ | ピッチ | HEXサイズ | 備考 |
---|---|---|---|---|
RX (~2022, ナット式) | M12 | P1.5 | HEX21 | |
RX (2022~, ボルト式) | M14 | P1.5 | HEX17 | |
NX (~2021, ナット式) | M12 | P1.5 | HEX21 | |
NX (2021~, ボルト式) | M14 | P1.5 | HEX17 | |
UX (2019~) | M12 | P1.5 | HEX21 | |
LX570 (~2021) | M14 | P1.5 | HEX22 | |
LX600 (2022~) | M14 | P1.5 | HEX21 | |
GX (2024~) | M14 | P1.5 | HEX21 | |
LM (2023~) | M14 | P1.5 | HEX21 | ミニバン |
LBX (2023~, ボルト式) | M14 | P1.5 | HEX17 | |
RZ (2023~, ボルト式) | M14 | P1.5 | HEX17 | EVモデル |
➡ ポイント
- UXはトヨタのC-HR系プラットフォームのためM12。
- RX・NXはモデルチェンジでボルト式へ移行済み。
- LXやGXのような大型SUVは太径M14を採用。
傾向と注意点

レクサスのホイールナット・ボルト規格には、いくつかの明確な傾向があります。
- 従来モデルは「M12×P1.5・HEX21」が多数派。
- 大型モデル(LS, LC, LXなど)は「M14×P1.5」を使用。
- 新世代レクサスは順次「ボルト式(M14×P1.5・HEX17)」へ移行。
また、レクサスのナットはトヨタ同様「平面座タイプ」です。
社外ホイールで多い「60度テーパー座ナット」とは形状が異なるため、流用はできません。

座面形状の違いに注意!【平面座とテーパー座】

ホイールナットを選ぶ際に最も重要なポイントのひとつが「座面形状」です。
ナットとホイールが接する部分の形状が違うと、正しく固定できずに走行中にナットが緩んでしまう危険があります。
- レクサス純正ホイール:平面座(フラットシート)
ホイールの取り付け面が平らで、専用の平面座ナットでしっかり押さえる構造。 - 社外ホイール:60度テーパー座が主流
ホイール穴の縁が「V字状(60度)」になっており、専用のテーパー座ナットで固定する方式。
レクサス純正ナット(平面座)を社外ホイール(テーパー座)に使うことはできません。
逆も同様で、テーパー座ナットを純正ホイールに使うのも不可です。
もし形状を間違えると…
- 締め付けても接触面がズレて固定力が不足する
- 走行中にナットが緩む
- 最悪の場合、ホイール脱落の危険も
初心者の方ほど見落としがちなので、必ずホイールの「座面形状」に合ったナットを選びましょう。

FAQ|よくある質問まとめ

Q. レクサス車のナットはトヨタ車と同じですか?
A. はい、基本的に同じ「平面座タイプ」です。
ただし車種や年式によってはネジ径(M12・M14)やHEXサイズが異なるので注意してください。
Q. 社外ホイールを使う場合はナットも変える必要がありますか?
A. はい。社外ホイールは「60度テーパー座」が主流です。
純正ナット(平面座)のままでは装着できません。必ずホイールに合ったナットを選びましょう。
Q. ボルト式の車にナットは使えますか?
A. いいえ。ボルト式の車は「ハブボルトを直接ねじ込む方式」なのでナットは使用しません。
ナットが必要なのはナット式車両のみです。
まとめ

レクサス車のホイールナット・ボルトサイズは、車種や年式によって異なります。
特に近年はボルト式へと切り替わるケースが増えているため、「以前はナット式だったモデルでも、新型はボルト式」という点に注意が必要です。
ホイール交換を行う際は、必ず現車で確認し、正しいナット/ボルトを選んでください。
安全かつ安心してドライブを楽しむために、基本的な知識を押さえておくことが大切です。