「スバル車のPCD、実は複数種類あるのをご存じですか?」
スバル車のホイールを交換・インチアップするときに必ず確認しなければならないのが PCD(Pitch Circle Diameter) です。
従来のスバルは「5穴・PCD100」が定番でしたが、最近は「PCD114.3」を採用する車種が増加。
さらに、軽自動車では「4穴・PCD100」が使われています。
PCDを間違えるとホイールを取り付けることができません。
この記事では、スバル車におけるPCDの基礎知識から、歴史、最新動向、車種ごとの一覧まで詳しく解説します。
PCDとは?ホイール選びの基礎知識

まずPCDの意味を確認しましょう。
PCD(Pitch Circle Diameter) とは、ホイールを固定するボルト穴の位置を円で結んだときの直径を指します。PCDが異なるホイールは基本的に装着できません。
- PCD100:直径100mmの円上にボルト穴が配置
- PCD114.3:直径114.3mmの円上にボルト穴が配置
また、PCDには「穴数(H)」もセットで表記されます。
スバルの普通車は「5穴(5H)」が基本ですが、軽自動車は「4穴(4H)」です。
👉 つまり、
- インプレッサやフォレスター → 5H/100 または 5H/114.3
- ステラやシフォンなど軽 → 4H/100
というように、車種、年式、型式によって違います。

スバル車とPCD100の歴史

長年、スバル車といえば「5H/PCD100」。
インプレッサ、レガシィ、フォレスター、BRZなど、数多くの車種がこの規格を採用してきました。
他メーカーではトヨタや日産がPCD114.3を主流としてきたため、スバル車はホイール流用が難しく、スバル専用設計のホイールが多かったのが特徴です。
一見デメリットにも見えますが、専用設計だからこその「安心感」や「ブランド的独自性」があり、ラリーカーやWRCカーの世界でもPCD100が長く採用されてきました。
PCD100はスバルの”伝統的なアイデンティティ”と言える存在でした。
近年増えてきたPCD114.3のスバル車

しかし近年のスバルは、PCD114.3を採用する車種を増やしています。
採用理由
なぜスバルはPCD114.3への転換を進めているのでしょうか。
主な理由は以下の通りです。
- SUVの大型化:よりワイドなタイヤに対応するため
- 剛性強化:WRXなどの高出力車で取り付け剛性を確保
- トヨタとの共同開発:ソルテラ(トヨタbZ4X兄弟車)など共通プラットフォームの影響
これらの背景から、従来のPCD100では対応しきれない要求に応えるため、より大きなPCD114.3が選択されています。
主なPCD114.3採用車

現在、以下のスバル車がPCD114.3を採用しています。
- WRX S4(VB系)
- レヴォーグ レイバック
- ソルテラ(EV)
- フォレスター(SK系) – 2018年6月のモデルチェンジからPCD114.3に変更
- レヴォーグ(VN5系) – 2020年10月の新型からPCD114.3に変更
この変化により、スバル車でもトヨタ・日産と同じ規格のホイールを選べるようになり、社外ホイールの選択肢が一気に広がりました。
ホイール購入時は、ホイール幅やインセットにも注意してください。

スバルの軽自動車は「4H/PCD100」

忘れてはいけないのが、スバルの軽自動車です。
普通車が「5穴」なのに対し、軽は 4穴(4H)/PCD100 が基本。
対象となるのは以下のモデルです。
軽自動車用ホイールを探すときは 4H100 であることを必ず確認しましょう。

スバル主要車種のPCD一覧
以下に、普通車と軽自動車をまとめたPCD一覧表を掲載します。
| 車種 | 型式/世代 | PCD | 穴数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| インプレッサ(GU/GK系) | 現行 | 100 | 5H | 伝統規格 |
| フォレスター(SJ) | ~2018年 | 100 | 5H | 2018年まで |
| フォレスター(SK) | 2018-2025年 | 114.3 | 5H | 新採用 |
| フォレスター(SL) | 2025~ | 114.3 | 5H | 新型 |
| レヴォーグ(VN5) | 現行 | 114.3 | 5H | 2020年〜 |
| レヴォーグ レイバック | 現行 | 114.3 | 5H | SUV派生モデル |
| WRX S4(VB) | 現行 | 114.3 | 5H | STI含む |
| BRZ(ZD8) | 現行 | 100 | 5H | GR86も同じ |
| ソルテラ | 現行 | 114.3 | 5H | bZ4Xと共通 |
| レガシィB4/アウトバック(BN/BS) | ~2020 | 100 | 5H | 2020年まで |
| ステラ | 現行 | 100 | 4H | ダイハツOEM |
| シフォン | 現行 | 100 | 4H | ダイハツOEM |
| プレオ | 旧型 | 100 | 4H | |
| R1/R2 | 旧型 | 100 | 4H | 個性派軽 |
| レックス | 現行 | 100 | 4H | ダイハツOEM |
👉 この表を確認すれば「自分の車がPCD100か114.3か、4穴か5穴か」が一目でわかります。

PCD100と114.3の違いは?

ここで、PCD100と114.3の違いを整理しておきましょう。
- 互換性なし:PCD100車に114.3ホイールは装着できない
- 選択肢の違い:PCD114.3は他メーカー共通でホイールが豊富
- 中古市場:PCD114.3車は中古ホイールも探しやすい
- 外観では区別できない:数値上の規格差なので、見た目では判別不可能
同じサイズのホイールでなければ装着できません。
数字を確認しない限り確実な判断はできないということです。
PCDを間違えるとどうなる?

PCDが合わないホイールを選ぶと、基本的には装着不可能。
仮に無理やり装着できても、走行中に脱輪するリスクがあります。
- 変換スペーサーは危険:ハブ径のズレやボルト負担が増加し、安全性が低下
- 中古ホイール購入時は要注意:写真だけでは判別できないため、必ずスペックを確認
PCD確認=ホイール選びの最初の一歩 と覚えておきましょう。
スバル車のホイールナットについてはこちら

まとめ

スバル車のPCDは時代とともに変化しており、ホイール選びの際は最新情報の確認が不可欠です。
特に2018年以降のモデルチェンジでPCD114.3への移行が加速しているため、車種・年式による違いを十分理解してから購入することが重要です。
- スバル車は長年「5H/PCD100」が主流だった
- 近年は「5H/PCD114.3」を採用するモデルが増え、ホイール選びの幅が広がった
- 軽自動車は「4H/PCD100」であり、普通車とは異なる規格
- PCDを間違えるとホイールが装着できず、最悪の場合は重大事故につながる
- 車種・型式・年式ごとに必ずPCDを確認してからホイールを選ぶことが重要

詳しいインチアップ情報は以下の記事で解説しています。

