トヨタ車のホイール交換時、「この車はナット?それともボルト?」「ボルトのサイズや形状は?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、トヨタ車で使用されるホイールボルトの仕様や、ボルト装着車の代表例、社外ホイール装着時の注意点などをわかりやすく解説します。
トヨタ車のホイール固定方式:ナット車とボルト車の違い

従来、トヨタ車はホイールナットによってホイールを固定する方式が一般的でした。
しかし、最近の一部モデルでは欧州車のようにホイールボルト方式が採用されています。
最近のクラウンシリーズなどでホイールボルト方式が導入され始めています。
これにより、ホイール選定時に必要な情報や注意点も変わってきているため、事前確認が重要です。
ホイールボルト方式が採用されている代表的な車種(2020年代〜)

- クラウン クロスオーバー
- クラウン セダン
- クラウン スポーツ
- クラウン エステート
これらの車種では、ホイールをボルトで直接ハブに固定する構造となっており、ホイール選定時には適合するボルトサイズ・形状に注意が必要です。
※GRスープラもボルトタイプですが、サイズが異なるため注意してください。(BMW Z4のOEM)

トヨタ純正ホイールボルトの仕様

最近のトヨタ車に採用されているホイールボルトの仕様は以下の通りです。
- ネジ径:M14(直径14mm)
- ピッチ:1.5mm(ネジ山の間隔)
- 座面形状:R14 球面座(ボールシート)
- ねじ長さ:約27mm前後(車種・ホイールにより異なる)
RIVAI 17HEX ラグボルト M14xP1.5 4本入り 首下長さ 27mm/30mm/35mm 13R球面 14R球面 クロームメッキ ブラ…
この仕様はメルセデス・ベンツなどの欧州車で広く使われているものと同等であり、社外ホイールを選ぶ際は座面形状やボルト長に注意が必要です。
ホイールボルト方式採用車で注意すべきポイント

ボルト固定方式は一見シンプルに見えますが、社外ホイールを装着する際には細かな確認と適合性のチェックが欠かせません。
見た目では判断できない部分に重要な違いが潜んでいるため、装着ミスがトラブルの原因となるケースもあります。
以下のポイントをしっかり確認しましょう。
社外ホイール装着時は座面形状に注意
純正は球面座(R14)が採用されていますが、社外ホイールの多くはテーパー座(60度)を前提に設計されているため、純正ボルトでは合わない場合があることに注意してください。
社外ホイールにはテーパー座対応のボルトを別途用意する必要があります。
誤った座面形状で取り付けると、走行中にボルトが緩んだりホイールが脱落する危険性もあるため、特に重要な確認ポイントです。
ボルト長の確認
社外ホイールは純正より厚みが異なることが多く、必要なボルト長も異なる場合があります。
必要に応じてロングボルトを使用することも。
長すぎるボルトはブレーキローターやハブに干渉するリスクがあり、短すぎると締結力が不足してしまいます。必ず適正長を確認しましょう。
購入するホイールに合ったものを使用してください。
PCDやハブ径などの基本スペックも確認

ボルト方式とは別に、PCD(114.3mm)やハブ径(60mmなど)といった他のスペックも確認することが重要です。
とくにPCD(ピッチサークル径)が異なると、ホイール自体が取り付けられない可能性があります。

トヨタ車のホイールボルト仕様早見表(代表車種)
以下は、代表的なトヨタ車のボルトサイズの一覧です。
ボルト式を採用する新型車をまとめています。
ホイール選びの際に、適合確認用として活用してください。
車種名 | 固定方式 | ボルトサイズ | 座面形状 | 備考 |
---|---|---|---|---|
クラウンクロスオーバー | ボルト式 | M14x1.5 | 球面(R14) | 2022年以降モデル |
クラウンスポーツ | ボルト式 | M14x1.5 | 球面(R14) | 2023年以降モデル |
クラウンセダン | ボルト式 | M14x1.5 | 球面(R14) | 2022年以降モデル |
クラウンエステート | ボルト式 | M14x1.5 | 球面(R14) | 2025年以降モデル |
レクサスでは、ホイールボルトが採用されるケースが多いです。

ロックボルトの必要性

ホイールボルト車には、高額な社外ホイールや車体を不法押取から守るために「ロックボルト」の装着が有効です。
ホイール盗難は一瞬の隙に行われるケースも多く、純正のボルトだけでは防ぎきれないのが現実です。
ロックボルトは、物理的に脱着を困難にするセキュリティパーツとして、必要性が高まっています。
ロックボルトとは?

ロックボルトとは、専用のアダプター(キー)なしでは脱着できないように設計された特殊形状のボルトのことです。
一般的な六角形状とは異なり、星型や花型、独自の溝形状などを採用しており、通常の工具では回せない構造になっています。
盗難防止対策としては「ロックナット」も存在しますが、ホイールボルト方式の車両では「ロックボルト」を選択する必要があります。
ホイールボルト車に使用する場合の注意点
- 専用のロックボルトはM14x1.5の仕様で同じ座面形状にする
- 正しい長さを選択
- キーを失くすと投入できなくなるため、キーの両補を持つなどケースも
万が一キーを紛失してしまうとホイールの取り外しができなくなるため、キーの管理には特に注意が必要です。
購入時は車のホイールに合わせた形状を選んでください。純正ホイールに装着する場合はR14 球面座です。
KYO-EI (協永産業) ホイールロックナット Bull Lock REGuard BOLT [ M14XP1.5 ] 14R 28mm [ 個数:4P ] [ 品…
こんな方におすすめ
ロックボルトは以下のような方に特におすすめです。
- 社外ホイールを買ったばかり
- 家の車を多く持っている
- ホイール組を多用途に使う人
ロックボルトは安全性と人盗防止の面から見ても有用なアイテムです。社外ホイール装着時は同時に検討することを推奨します。
よくある質問(FAQ)

Q. ホイールボルトとナットの違いは?

A. ホイールボルトはボルトそのものをハブにねじ込む方式。
ナットはスタッドボルトにナットをかぶせて締め付ける方式です。
今までのトヨタ車はナットタイプがほとんどでした。

Q. 純正ボルトはそのまま社外ホイールに使えますか?
A. 社外ホイールの座面形状が異なる場合、専用品(テーパー座対応ボルトなど)が必要になります。
ホイールに合うものを用意してください。
Q. 純正と同じM14×1.5ボルトなら何でも使えますか?
A. 座面形状やボルト長さが合っていなければ適合不可。
同じネジ径でも注意が必要です。
まとめ

新型クラウンシリーズなど、トヨタでもホイールボルト方式を採用する車種が増加中です。
ホイールボルト方式の車種では、以下のポイントをしっかり確認しましょう。
- M14×1.5 / 球面座(R14)が純正仕様
- 社外ホイール装着時は座面形状・ボルト長さの適合確認が必須
- ナット車と混同しないよう注意
安全性を確保するため、社外ホイールを装着する場合は専門店への相談・確認を推奨します。
