【ホイールナットの選び方】テーパー・球面・貫通ナットの違いと注意点

ホイールナットの選び方|テーパー・球面・貫通ナットの違い

ホイールを交換する際に意外と見落とされがちなのが「ホイールナット」。

「ホイールを買ったのにナットが合わなかった…」というトラブルは、実は初心者にとってよくある話です。

ナットの種類や形状、サイズを正しく理解していないと、装着できなかったり、走行中に外れてしまう危険すらあります。

この記事では、テーパー・球面・貫通ナットの違いや選び方、必要な本数、各メーカー別の規格まで、初心者にもわかりやすく解説します。

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ホイールナットの基本構造

ナットサイズ

ホイールナットには、形状や取り付け方式にいくつかのバリエーションがあります。

例えば、純正ホイールと社外ホイールでは、座面の形状や必要なナットの長さ・形が違うことがよくあります。

「とりあえず付けば大丈夫」と適当に選んでしまうと、走行中の緩みや脱輪の原因になることも。

安全かつ正しく取り付けるためには、自分の車とホイールに“本当に合ったナット”を選ぶことが非常に大切です。

このあと紹介する「座面形状」や「サイズの見方」も、ぜひあわせて確認してみてください。

ナットの座面形状|テーパー・球面・平面の違い

ホイールナット

ホイールナットを選ぶときに、意外と見落とされやすいのが「座面形状(ざめんけいじょう)」です。

ナットとホイールが接触する部分=「座面」の形が合っていないと、適正に締め付けできず、緩み・脱輪などのリスクが発生する可能性があります。

以下で代表的な3つの座面形状を紹介しますので、ご自身のホイールに合ったタイプをしっかり確認しましょう。

テーパー座(60度)|もっとも一般的な形状


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  • 座面が円錐状になっており、角度は60度
  • 社外ホイールのほとんどがこのテーパー座を採用
  • 締め付けたときにセンターが出やすく、安定性も◎

使用されている車種例
日産/ホンダ/マツダ/ダイハツ/スズキなど、国産車の多く

社外ホイールを装着する場合は、テーパー座ナットが基本です。

球面座


  • 座面がボール状(球の一部のような丸み)
  • 純正ホイールでよく使われ、社外ホイールにはあまり採用されていません

使用されている車種例
ホンダ/フォルクスワーゲン/アウディ/メルセデス・ベンツ/BMW など

間違ってテーパー座のナットを使うと、正しく締まらず危険です。

平面座


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  • 座面が完全に平らな形状
  • 一部のトヨタ純正ホイールやレクサス車で採用されています
  • 市販のナットでは対応しにくく、専用品が必要なケースもあり

使用されている車種例
クラウン・アルファード・レクサス系一部モデルなど

汎用品での代用が難しいため、購入時は必ず確認が必要です。

ナットの種類|袋ナット・貫通ナット・ロックナット

装着されたホイールナット

ホイールナットには、見た目や性能、安全性の面で違いがあります。

ここでは、基本となる3種類のナットについて、わかりやすくご紹介します。

袋ナット|見た目もサビ対策も◎

袋ナット

袋ナットは、上部がキャップで塞がれているタイプのナットです。

  • スタッドボルトが外から見えないため、見た目がスッキリ
  • 内部への水や汚れの侵入を防ぎ、サビに強い
  • 純正ホイールや街乗り車に多く使われる一般的なナット

こんな方におすすめ
外観をきれいに見せたい人、ホイール周りのサビが気になる人

貫通ナット|軽量&実用性重視の上級者向け

貫通ナット

貫通ナットは、上部が開いていて、スタッドボルトが突き抜ける構造になっています。

  • 軽量なため、サーキットや競技車両でよく使用
  • スタッドボルトの長さに余裕があるときに選ばれる
  • 水やホコリが入るため、専用キャップを付けることも

こんな方におすすめ
軽量化にこだわる方や、サーキット走行などを楽しむ方

ロックナット|盗難対策に必須の1本


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ロックナットは、専用のキー(工具)がないと外せない構造になっており、ホイール盗難防止に役立ちます。

  • 1輪につき1本を通常のナットと交換して使用
  • 専用アダプター(ロックキー)が必要
  • 車外から見た目ではわかりにくいものも多く、防犯性が高い

こんな方におすすめ
アルミホイールを盗まれたくない方、治安の不安があるエリアに住んでいる方

それぞれのナットにはメリット・デメリットがあります。ホイールのタイプや使い方に応じて、見た目・機能・防犯性をバランスよく考えて選ぶことが大切です。

ナットサイズの見方と選び方|ネジ径・ピッチ・二面幅の基礎知識

ナット

ホイールナットを選ぶときに欠かせないのが「サイズ確認」です。

見た目やデザインだけでなく、サイズが合っていないと取り付けできなかったり、走行中に外れる危険性もあるため、正確に把握しておくことが大切です。

ホイールナットのサイズは、主に以下の3つの要素で構成されています。

ネジ径(例:M12)

車のハブ

これは、ボルト(スタッドボルト)の太さを表します。

  • 乗用車で一般的なのは「M12」
  • 一部の大型車や外車ではM14の場合もあります

👉 「M12」とは、ネジの直径が12mmという意味です。

ピッチ(例:P1.25、P1.5)

ピッチとは、ネジ山とネジ山の間隔(距離)のことです。

車メーカーによって異なるため、車種に合わせたピッチ選びが必須

国産車では「P1.25」と「P1.5」が主流

メーカーピッチ(目安)
トヨタ・ホンダ・マツダ・ダイハツP1.5
日産・スバル・スズキP1.25

👉 間違えるとナットが締まらない、もしくはネジ山を傷める原因に!

二面幅(HEX)

ナットを締める

二面幅とは、ナットを締めるときに使うレンチのサイズ(六角部分の幅)です。

  • 一般的なサイズは「19HEX」や「21HEX」
  • 車載工具が19mmなら、ナットも19HEXを選ぶと便利

👉 工具がナットに合っていないと、しっかり締められません。

ナット選びのチェックポイント

タイヤ交換
  • 自分の車のネジ径とピッチを確認する(車種別で一覧を作ると便利)
  • 社外ホイールには純正ナットが合わないことが多いため、テーパー座の社外用ナットを選ぶ
  • ナットの長さにも注意(軽自動車・コンパクト向けのショートタイプなど)
  • ナットセットを購入する際は、必要本数(通常16個+予備orロックナット)を確認

サイズ選びに迷ったときは、純正ホイールの仕様や車検証、または信頼できるショップやメーカーの適合表を確認するのがおすすめです。

適合ミスを防ぎ、安全・快適なホイールライフを楽しみましょう!

車種別|ナットサイズ・座面一覧表(国産メーカー編)

メーカー主なナットサイズ座面形状HEX
トヨタM12×1.5テーパー21
日産M12×1.25テーパー21
ホンダM12×1.5球面19
スバルM12×1.25テーパー19
スズキM12×1.25テーパー19

※一部車種で異なる場合あり。適合は必ず確認してください。

ナットカラー×ホイールの相性【見た目も妥協しない!】

ナットカラー×ホイール

ナットは小さなパーツですが、ホイールとの組み合わせ次第で、全体の印象が大きく変わります。

ドレスアップを楽しむ方にとっては、ナットカラーの選び方も外せないポイントです。

ブラックナット

4穴

全体を引き締めたい方におすすめの王道コンビ。

ホイールとナットが同色になることで統一感が生まれ、足元がグッと精悍に見えます。

とくに黒系ボディやスポーティな車と相性抜群。

こんな人におすすめ
控えめだけどカッコよさを追求したい方、シックな雰囲気にまとめたい方

ポリッシュホイール × クロームナット

ポリッシュホイールとタイヤ

金属光沢が際立つ組み合わせで、高級感や清潔感を演出。

昼間の太陽光や夜の街灯に反射して輝くので、ラグジュアリー系ミニバンやセダンとの相性も良好です。

こんな人におすすめ
高級感を演出したい方、明るめボディカラーと合わせたい方

カラーナット(レッド・ブルー・ゴールドなど)

スポーツカーやカスタムカーに人気のカラーアクセント。

ブラックやガンメタ系のホイールに差し色として映えるため、目を引く足元を演出できます。ワンポイントで個性を出したい方にぴったり。

こんな人におすすめ
スポーティな印象にしたい方、人と被らないカスタムを楽しみたい方

素材で選ぶ|スチール vs アルミナット

ホイールナットは大きく分けて「スチール製」と「アルミ製」があり、それぞれに特徴と適した用途があります。

素材特徴メリット注意点
スチール一般的強度が高く安価錆びやすいが耐久性は高い
アルミ軽量・ドレスアップ向け錆びにくくカラバリ豊富過剰なトルクで破損しやすい

どちらを選ぶかは、安全性を優先するか、見た目や軽さを重視するかによって決まります。

迷った場合は、まずはスチール製を選んでおくと間違いがありません。

カスタム志向の方は、アルミナットを使ってホイール周りに個性を出すのも楽しいですよ。

DIY派におすすめ|トルクレンチとナットセット

トルクレンチとクロスレンチ

ナットを正しく締めるには「トルク管理」が不可欠。

特に初心者やDIY派の方には、トルクレンチ付きナットセットがおすすめです。

  • N-BOXなど軽自動車:90〜100N·m
  • 普通車:100〜120N·m

トルクレンチを一本持っていると便利です。

よくある質問(Q&A)

Q&A

Q1. ホイールナットは全部同じに見えるけど、違うの?

A. 違います。

車種によってサイズ・ピッチ・座面形状が異なり、間違えると脱輪などのトラブルの元に。

ピッチの違いは見た目ではわからない(必ず確認)

ホイールのデザインによっては、ナットの長さ・形状も要注意。

Q2. ホンダ純正ナットは社外ホイールで使える?

N-BOX JF5

A. 使えないことが多いです。

ホンダの純正ナットは球面座で、社外ホイールのテーパー座とは形状が合いません。

座面形状を間違えると、ナットがゆるむ・締まらないことがあります。

Q3. カラーナットって耐久性に問題ない?

A. 材質によります。

アルミ製のカラーナットは軽くておしゃれですが、耐久性はスチールよりやや劣ります。

日常使いには十分対応可能。少し高価ですがジュラルミンタイプは強度もあります。

まとめ|ナット選びもホイール選びの一部です

タイヤホイール取り付け

ホイールを安全・確実に装着するためには、ナットの形状・サイズ・座面形状をきちんと確認することが大切です。

「ホイールは気にしたけどナットは適当だった…」

「ナット形状がなくてホイールが取り付けられない」ということがないよう、ぜひこの記事を参考に、自分の車に合ったナットを選びましょう。

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この記事を書いた人

自動車業界で10年のキャリアを積んだ後、自動車関連のWEBライターとして活動しています。特にスポーツカーが好きで、多岐にわたるモデルを経験してきました。これまでに1500本以上の記事を執筆し、専門知識をもとに読者に有益な情報を提供しています。タイヤ・ホイールの選び方から購入方法まで、実践的なアドバイスをお届けします。

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