「SUVのタイヤをインチアップしたいけど、どんなタイヤを選べばいいのかわからない…」
「せっかく高いお金を出すなら失敗したくないけど、何を基準に選べばいいの?」
SUVのタイヤをインチアップする際は、単に見た目だけでなく、車の性能や安全性にも大きく影響します。
この記事では、SUVのカスタムを検討している愛車家の方に向けて、
- SUVに最適なインチアップタイヤの選び方と注意点
- 人気SUV車種別のおすすめタイヤサイズ
- インチアップによるメリット・デメリットの徹底解説
上記について、自動車整備士としての経験と知識を交えながら解説しています。
愛車のSUVをカッコよく、そして安全に乗りこなすためのタイヤ選びは妥協できないポイントです。この記事を参考に、後悔しないインチアップを実現してください。
SUVタイヤの基本性能と選び方

SUVタイヤの基本性能と選び方は、車の走行性能や安全性に直結する重要な要素です。
適切なタイヤを選ぶことで、SUVの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができるでしょう。
SUVは一般的な乗用車と比べて車高が高く重量があるため、タイヤに求められる性能も異なります。
耐荷重性能や安定性、オフロード性能など、SUV特有の要件を満たすタイヤを選ぶ必要があります。
特にインチアップを検討する場合は、見た目の良さだけでなく、車両特性との相性も重視すべきポイント。
例えば、都市部での使用が主なSUVであれば静粛性と燃費性能に優れたタイヤが適していますが、アウトドアでの使用が多い場合は耐久性や悪路走破性に優れたタイヤを選ぶと良いでしょう。
また、四輪駆動のSUVと二輪駆動のSUVでも最適なタイヤ特性は異なります。以下で詳しく解説していきます。
タイヤに求める性能を考える

SUVのタイヤを選ぶうえで重要なのは、まず「自分の車に求める性能を明確にする」ことです。
たとえば都市部での街乗りが中心なのか、週末はアウトドアや悪路を走る機会が多いのかによって、最適なタイヤの種類は変わります。
街乗りがメインの方は、静粛性や燃費性能に優れたオンロード向けタイヤがおすすめです。
近年のSUVは乗用車に近い快適性を持ち合わせたモデルが増えており、タイヤ選びでも同様の快適性を重視すると良いでしょう。

一方、アウトドアを楽しむ機会が多い方やダート・雪道などを走る可能性がある場合には、オフロード性能・耐久性を重視したタイヤが適切です。
特にキャンプやスキーなど季節を問わずアクティブにSUVを使いこなすなら、全天候に対応しやすいオールテレーン(A/T)タイヤを検討してみてください。
また、SUVの中でも四輪駆動(4WD)と二輪駆動(FFやFR)では駆動方式が異なるため、求められるグリップバランスに差が出ます。
4WDでは四輪全体のトラクション性能が高いため、オフロード性能や高荷重への対応力がより重要。
一方、FFやFRでは前後どちらかに荷重が偏ることが多いため、耐摩耗性やロードノイズの少なさを重視するケースが多いでしょう。
タイヤサイズの確認方法

インチアップを検討する際に最初に行うべきなのが、愛車が装着できるタイヤサイズを正確に把握することです。
主な確認方法は以下の通りです。
- タイヤのサイドウォールを見る
タイヤの側面に記載されているサイズ表記(例:225/65R17 102H)を確認します。数字やアルファベットにはそれぞれ意味があり、タイヤ幅・偏平率・リム径・ロードインデックス・速度記号などを読み取ることができます。 - 車両の取扱説明書を参照する
メーカー推奨のタイヤサイズや空気圧が記載されているので、純正サイズや推奨できるサイズの範囲を把握できます。 - ディーラーや専門店に相談する
独自のカスタムや特殊なサイズを検討している場合は、専門家に相談して車体との干渉リスクやロードインデックスを確認してもらうのが安心です。
インチアップによる外径(タイヤ全体の直径)の大幅な変化は、速度計の誤差や車検の適合可否に影響を与える可能性があります。
必ず純正サイズに近い範囲で選び、ロードインデックスや速度記号も余裕を持った数値を選択しましょう。

インチアップのメリットとデメリット
タイヤのインチアップは見た目だけでなく、走行性能にも影響を与えます。
以下のメリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう。
インチアップのメリット

インチアップには以下のようなメリットがあります。
- 見た目の迫力向上
大径ホイールと薄めのタイヤがSUVの力強いスタイルを引き立てます。 - ハンドリング性能の向上
サイドウォールが薄くなることで剛性が増し、コーナリング時の安定感が向上しやすいです。 - グリップ力の向上
タイヤ幅が広がる場合、接地面積が大きくなるため、路面とのグリップ力が高まる傾向があります。

インチアップのデメリット

インチアップには、以下のようなデメリットがあります。
- 乗り心地の悪化
サイドウォールが薄くなる分、路面からの衝撃が伝わりやすくなり、ゴツゴツしたフィーリングになることがあります。 - 価格が高くなる
大径ホイールや幅広タイヤは高価なうえ、交換サイクル時の出費も増えがちです。 - 燃費への影響
タイヤ幅の拡大や重量増により、燃費がやや悪化する場合があります。 - 干渉リスク
ホイールのオフセットやタイヤ外径が大きすぎると、フェンダーやサスペンションに干渉する恐れがあります。

人気SUVのインチアップタイヤおすすめ

SUVのインチアップタイヤを選ぶなら、車種に合った適切なサイズと用途に適した性能バランスが重要です。
インチアップによって見た目の迫力が増すだけでなく、グリップ力や安定性が向上するメリットもありますが、価格帯や乗り心地への影響も考慮して選ぶ必要があります。
例えば、ブリヂストンのDUELER H/L 850やミシュランのPRIMACY SUV+は、オンロード性能に優れた人気モデルとして多くのSUVオーナーから支持を集めています。
また、ヨコハマのGEOLANDARシリーズやトーヨーのOPEN COUNTRYシリーズは、オフロード性能も兼ね備えたバランスの良いタイヤとして評価が高いです。
以下では、インチサイズ別におすすめのタイヤと価格帯を詳しく解説していきます。
16インチのおすすめタイヤと価格

16インチはSUVの標準サイズとして多くの車種に採用されており、コストパフォーマンスに優れたインチアップの選択肢です。
(例:トヨタ ライズ、ダイハツ ロッキー(195/65R16)、ホンダ フィットクロスター(185/60R16)、日産 キックス(205/60R16)など)
16インチはコンパクトSUVやクロスオーバーに多く採用されており、コストパフォーマンスに優れたインチアップまたは標準装備の選択肢です。
標準的なSUVモデルに最適な16インチタイヤには、以下のような人気商品があります。
ヨコハマ ジオランダーA/T G015

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オンロード性能と軽いオフロード性能を両立させた万能タイヤで、キャンプなどアウトドア志向の方にもおすすめ。
※対応サイズ:215/65R16、205/60R16など
価格:1本あたり15,000円〜20,000円程度。
トーヨー OPEN COUNTRY R/T

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オンロードとオフロード性能を両立したラギッドテレーン(R/T)タイヤ。
見た目の迫力と軽い悪路走破性を求める方に人気で、アウトドアやキャンプ用途が多いユーザーにおすすめです。
対応サイズ:175/60R16、215/65R16 なども一部対応(※サイズにより設定が異なるため要確認)
価格:1本あたり16,000円〜22,000円程度

ダンロップ グラントレック PT3

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耐摩耗性に優れた国産オールシーズンタイヤで、年間を通じて安定した走行を実現。
※対応サイズ:215/65R16、235/60R16など
価格:1本17,000円〜23,000円ほど。
「タイヤだけでなくホイールも一緒に交換するとなると、予算が心配…」と思われるかもしれません。
しかし16インチは比較的安価で、4本セットでホイール込みなら10〜15万円程度から選べます。
16インチは価格と性能のバランスが取れたサイズで、SUVの基本性能を損なわずにスタイリッシュさを加えられる絶妙なインチアップポイントです。
17インチのおすすめタイヤと価格

17インチは多くのSUVで標準、またはオプションとして採用されているサイズで、バランスの良い選択肢です。
(例:トヨタ C-HR(215/60R17)、マツダ CX-5(225/65R17)、日産 エクストレイルT32(225/65R17)など)
17インチは多くのSUVで標準サイズまたはオプションサイズとして採用されており、見た目・走行性能・快適性のバランスが取れた選択肢です。
性能と価格のバランスが取れた17インチタイヤを紹介します。
TOYO OPEN COUNTRY A/T III(オープンカントリー A/T III)

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オンロードでの快適性+オフロード性能を兼ね備えたオールテレーンタイヤ。
トレッドデザインがスタイリッシュで、キャンプや林道走行、見た目重視のドレスアップ派にも人気です。
- 対応サイズ:225/65R17(エクストレイル、フォレスター)、225/60R17(XV)など
- 価格:1本あたり18,000円~24,000円程度
日常走行での静粛性や安定性を保ちつつ、アウトドアでのグリップ力も確保。
「ゴツゴツすぎないけど、カッコよくて頼れるタイヤが欲しい」方にぴったりです。
BFGoodrich Trail-Terrain T/A(トレイルテレーン T/A)

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舗装路を重視しながらも、グラベルや未舗装路に強いタフなオールテレーンタイヤ。
本格4WDイメージのあるBFグッドリッチの中では街乗り寄りのモデルで、見た目と実用性のバランスが抜群です。
- 対応サイズ:225/65R17(エクストレイル、フォレスター)、235/65R17など
- 価格:1本あたり20,000円〜28,000円程度
耐久性のあるショルダー設計と石噛み防止性能で、キャンプやスノーレジャーにも安心して使えます。
SUVらしいタフな足元を演出したい人におすすめ。

ブリヂストン デューラー H/L 850

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街乗りを快適にこなす定番のSUV用ハイウェイラグジュアリータイヤ。
静粛性・低燃費性・乗り心地のバランスに優れ、普段使いやロングドライブ中心の方に最適です。
- 対応サイズ:215/60R17(C-HR)、225/65R17(エクストレイル)、225/60R17(フォレスター)など
- 価格:1本あたり20,000円〜27,000円程度
国産ならではの安心感と快適性能が魅力で、ファミリー層やビジネス用途にも支持されています。
ヨコハマ ジオランダーA/T G015、トーヨー OPEN COUNTRY R/T、ダンロップ グラントレック PT3なども人気です。
17インチタイヤは選択肢が豊富で、用途や予算に合わせた最適な一本が見つかるサイズといえるでしょう。
18インチのおすすめタイヤと価格

18インチはミドル〜ラージクラスSUVに多く採用されており、見た目の迫力と走行性能を同時に高めたいユーザーに人気のサイズです。
(例:トヨタ ハリアー(225/60R18)、マツダ CX-5(225/55R18)、ホンダ CR-V(235/60R18)、スバル レガシィアウトバック(225/60R18)など)
ブリヂストン ALENZA 001(アレンザ 001)

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プレミアムSUV向けオンロードタイヤ。
高速安定性とウェットグリップに優れ、静粛性や快適性を重視するロングドライブ派に最適です。
- 対応サイズ例:225/55R18(CX-5)、225/60R18(ハリアー、アウトバック)、235/60R18(CR-V)など
- 価格:1本あたり32,000円〜38,000円程度
「高性能で静かなタイヤが欲しい」「高速道路をよく走る」方におすすめ。
上質な乗り味とハンドリング性能で、プレミアムSUVの性能を引き出します。
ヨコハマ GEOLANDAR CV G058(ジオランダー CV G058)

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都市型SUVに最適なコンフォートタイヤ。
ウェット性能・静粛性・耐摩耗性のバランスが良く、ファミリーユースや街乗りメインの方におすすめです。
- 対応サイズ例:225/55R18(CX-5)、225/60R18(ハリアー)、235/60R18(CR-V)など
- 価格:1本あたり24,000円〜30,000円程度
ヨコハマらしい高い静粛性と安心感のある乗り心地で、普段使いに最もフィットする一本。
日本の気候・道路に合わせて設計されているのも安心です。
TOYO OPEN COUNTRY A/T EX(オープンカントリー A/T EX)

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オンロードメイン+ライトオフロード対応のオールテレーンタイヤ。
街乗りでの快適さを保ちつつ、アウトドアや雪道にも強い、日常と冒険を両立したい方にピッタリです。
- 対応サイズ例:225/60R18(ハリアー、アウトバック)、235/60R18(CR-V)など
- 価格:1本あたり20,000円〜26,000円程度
ゴツすぎず落ち着いたトレッドデザインで、SUVのワイルド感を程よく演出。
冬の急な雪にも安心なスノーフレークマーク付きで、季節の変わり目にも対応可能。

これらのタイヤは、SUVの見た目の迫力アップだけでなく、コーナリング性能や乗り心地も向上させるでしょう。
インチアップ時の注意点とヒント

見た目がスポーティに変わり、走行性能も向上すると人気の「インチアップ」。
しかし、ただ大きなホイールを履かせるだけでは思わぬトラブルにつながることも。
ここでは、インチアップをする際に押さえておきたい重要なポイントと、安全・快適に楽しむためのヒントをご紹介します。
外径と荷重指数の重要性

インチアップをする際は、タイヤの外径(タイヤ全体の直径)と荷重指数(ロードインデックス)が非常に重要です。
純正タイヤと比べて外径が大きくなりすぎると、メーター誤差やフェンダーとの干渉リスクが高まります。
逆に小さすぎると車高が下がりすぎて車体デザインとのバランスが崩れたり、ロードインデックスが不足して走行中にタイヤへ過度な負荷がかかる恐れがあります。
ロードインデックスはタイヤが安全に耐えられる荷重の指標です。SUVは車重があるため、純正タイヤと同等、もしくはそれ以上のロードインデックスを持つタイヤを選ぶようにしましょう。

正しい空気圧での使用

インチアップを行うとサイドウォールが薄くなるケースが多く、空気圧管理がシビアになります。
メーカー推奨の空気圧(車両の取扱説明書やドアの内側に貼られているラベルなど)を必ず確認し、適正な空気圧を保ちましょう。
空気圧が低すぎると、タイヤのたわみが大きくなり燃費悪化や肩減りの原因に。
逆に高すぎると、乗り心地が硬くなるだけでなく、中央部の偏摩耗が進みやすくなるので注意が必要です。

ホイールと車体の干渉を避ける

インチアップの際、ホイールのオフセットやリム幅が車体に合っていないと、ブレーキキャリパーやサスペンション、フェンダーとの干渉が起こる可能性があります。
SUVはサスペンションのストローク量が大きいため、ロードクリアランスをしっかり確保できるホイール選びが大切です。
カタログ上の数値や専門店の計測を参考に、干渉リスクのないサイズを検討してください。
タイヤのはみ出しにも注意が必要です。

タイヤ交換の費用と工賃について

タイヤ脱着とホイール組み換えの料金

タイヤ交換の費用は、タイヤ本体の価格 + 工賃(脱着・組み換え・バランス調整など)が基本となります。
一般的には以下のような目安です。
- タイヤの脱着工賃
1本あたり1,000〜2,000円程度 - 組み換え工賃
1本あたり1,000〜2,500円程度(インチ数によって変動) - バランス調整
1本あたり500〜1,500円程度 - 廃タイヤ処分料
1本あたり300〜500円程度
例えば17〜18インチクラスのSUVタイヤ4本を交換する場合、工賃だけでトータル1万円前後かかることが多いです。
ただしショップや地域、キャンペーンの有無によって変動するため、複数の店舗で見積もりを取ることをおすすめします。
ネットで予約できるタイヤ交換サービス「楽天Car タイヤ交換チケット」を利用するのも一つの方法です。

SUVタイヤに関するよくある質問

スタッドレスタイヤの選び方

SUV用のスタッドレスタイヤを選ぶ際は、氷雪路でのグリップ力に加え、高速道路での安定性も考慮しましょう。
SUVは車両重量があるため、しっかりとしたサイピング(細かい溝)を備えたモデルや、ブロック剛性が高く雪や氷をしっかり噛むタイプがおすすめです。
また、スタッドレスタイヤは気温が低い時期に威力を発揮しますが、暖かい季節になると性能が著しく落ち、摩耗が進む点に注意してください。
タイヤローテーションや春先の適切なタイミングでの交換が必要です。

ホイールデザインの選び方

インチアップする際、タイヤと同時にホイールを交換する方も多いでしょう。
ホイール選びで重要なのは、デザインだけでなく、重量や剛性も考慮することです。
SUVにおいては、悪路や長距離移動を想定しているケースも多いため、過度に軽量化されたホイールより、適度な剛性を確保したものを選ぶ方が安心感があります。
もちろん見た目の好みも大切ですが、走行シーンや予算との兼ね合いでバランスよく選ぶことがポイントです。

まとめ:インチアップは「走り」と「見た目」の両立を目指そう

SUVのインチアップタイヤ選びは、見た目のカスタム性と走行性能・安全性のバランスが求められます。
車両特性を活かしつつ、ロードインデックスや外径、ホイールのオフセットなど技術的な面もしっかりと把握しておくことが大切です。
この記事で紹介したように、インチサイズごとに価格帯や得意とする性能はさまざま。街乗りを重視するのか、アウトドアを満喫したいのかといったライフスタイルに合わせて検討してみてください。
また、タイヤ交換やホイール組み換えにかかる費用も事前に複数の店舗で見積もりを取り、納得できるショップを選ぶことが失敗を防ぐポイントです。
愛車のSUVをよりスタイリッシュに、そして快適に乗りこなすために、インチアップは大きな効果をもたらします。
ぜひ本記事を参考に、後悔しないインチアップタイヤ選びを実現してください。