「ホイールの幅って何?」
ホイールを選ぶ時に重要になるホイールの幅。
車によってある程度、装着できるホイールの幅が決まっています。
ホイール幅が広いと、はみ出したり装着ができないことがあるため、インチアップ時にはホイールの幅が重要です。
ここでは、タイヤショップで10年働いた経験をもとに、「ホイールの幅」について紹介します。
ホイールの幅とは?

ホイールの「幅」とは、タイヤが取り付けられる部分、つまりリムの内側の距離のこと。
これは「リム幅」とも呼ばれ、インチ(1インチ=25.4mm)単位で表示されます。
ホイールにはいくつかの数字があります。
ホイールの幅は、タイヤの装着や車の走行性能に大きく影響する重要な要素。
リム幅とも呼ばれ、ホイールの左右のフランジ間の距離をインチ単位で表しており、一般的に「6.5J」や「7.0J」のように表記されます。
インチアップを検討する際、適切なホイール幅を選ぶことで、タイヤのフィット感や見た目、走行安定性が大きく変わります。
ホイールサイズの表記例と意味

たとえば「16×6.5J +45」と表記されていたら、
- 直径が16インチ
- 幅が6.5インチ(=約165mm)
- フランジ形状が「J」
- インセットが+45mm
という意味になります。
ホイールの幅は、数字が大きいほどホイールは太く、数字が小さいとホイールは細くなります。
リム幅、ホイール幅(奥行き)は、インチで表記しています。
※表記はミリではなく、インチなので注意してください。
リム幅の数値は、0.5(1/2)刻みになっています。
(例)6.5Jの場合は約165mmです。
6Jのホイールを実測しました

6Jのリム幅は152.4mm
メジャーで測ったので、多少誤差がありますが、だいたい同じようなサイズでした。
「6」という数字は、ホイールの横幅(リム幅)を表していて、1インチは、25.4mmです。
6Jのホイールのリム幅は、152.4mm。
(25.4×6=152.4mm)
※152.4mmはフランジ部分(J)は含んでいません。
フランジ部分(J)を含めるとこうなります。

フランジ部分をいれた6Jのホイール幅は、約178mm
フランジは片側13mmで両方にあるため、26mmプラスになります。
リム幅の152.4mmの両サイドのフランジをあわせると、178.4mmになります。
ホイールのJは何?
ホイールの「J」とは、リムのフランジ形状を表す記号の一つであり、ホイールサイズの表記に必ず含まれています。
「6.5J」「7.0J」「8.5J」といった表記で使われ、Jの前にある数字はリム幅(ホイールの幅)をインチ単位で示しています。
一般的なのは「J」と「JJ」

Jの意味とフランジ形状
「J」はホイールのフランジ形状を示しており、リムの内側にある立ち上がり部分の角度や形状に関係します。
乗用車用ホイールの多くは「Jフランジ」が採用され、ほかにも「JJ」「K」「B」といったフランジ形状が存在します。
「J」ってなに?JとJJの違いを解説
「6.5J」などのJは、ホイールの縁(フランジ)の形状を示しています。
- J:一般的な乗用車向け
- JJ:SUVや4WDなどの強度が必要な車向け
「J」の違いで、フランジの高さが若干変わります。
- J:高さ 17.5mm
- JJ:高さ 18.0mm(わずか0.5mmの差)
「J」はフランジの高さが約17.5mm、「JJ」は約18.0mmとされており、見た目ではほとんど違いが分からない程度ですが、構造的には異なります。

一般的な乗用車には「J」が、SUVや4WDなどの車種には「JJ」が使われることが多く、それぞれ形状や高さにわずかな違いがあります。
JとJJは見た目の違いこそわずかですが、ビード(タイヤとホイールの接触面)の収まり方が少し異なります。
間違えても装着できることは多いですが、メーカーの推奨に従うことが安全面でもベストです。
ホイール幅を太くするとどうなる?


ホイールの幅を広げると、車の見た目が一段とカッコよくなり、足元に迫力が生まれます。
ワイドなタイヤやホイールを装着することができるようになります。
インセット(ホイールの取り付け位置の深さ)を調整して、フェンダーとホイールの端をきれいに揃える「ツライチ」を実現することも可能。


タイヤをワイドにすることでグリップ力が上がり、コーナリングが向上します。
ホイールの幅を広げることは、見た目を洗練させるのにも役立ち、ドレスアップに効果的です。
ホイール幅を変えるときの影響


ホイール幅を太くすることで、走行性能や見た目にさまざまな影響が生じます。
適切なサイズ選定を行わないと、ハンドリングや乗り心地が大きく変化し、場合によってはフェンダーとの干渉や車検不適合のリスクもあります。
接地面積の増加とグリップ力の向上


ホイール幅を広げることで、タイヤの接地面積が増加し、コーナリング時の安定性が向上。
例えば、純正ホイールが6.5Jの車両に7.5Jのホイールを装着すると、同じタイヤサイズでもトレッド面が均一に接地しやすくなります。
これにより、スポーツ走行時のグリップ力が向上し、高速域での安定感が増します。
ステアリングのレスポンス変化


ホイール幅が太くなると、タイヤの剛性が増し、ステアリング操作に対するレスポンスがクイックに。
幅が広がりすぎるとハンドルが重くなり、街乗りや低速域での操作性が悪化する可能性があります。
例えば、205/55R16に6.5Jのホイールを装着した場合と7.5Jのホイールに変更した場合では、後者の方がステアリングの反応がダイレクトになるが、同時に負荷も増えるため注意が必要です。
フェンダークリアランスと干渉のリスク


ホイール幅が太くなることで、タイヤの外側への張り出しが増え、フェンダーからはみ出すリスクが高まります。
特に、オフセット(インセット)の値が変わると、フェンダー内に収まりにくくなります。
例えば、純正ホイールが6.0J +45の車両に、8.0J +35のホイールを装着すると、外側に約25mmせり出すことになり、フェンダーアーチやバンパーとの干渉が起こる可能性があります。
タイヤの引っ張りや膨らみの影響


ホイール幅が広がると、装着するタイヤの形状が変わります。
例えば、215/45R17を7.0Jに装着する場合と8.0Jに装着する場合では、後者の方が引っ張りタイヤのような形状になり、ショルダー部分が寝るような形になります。
一方で、狭いホイールに太いタイヤを装着すると、サイドウォールが膨らみすぎてしまい、フェンダーとのクリアランスが狭くなります。
乗り心地と燃費への影響


ホイール幅が太くなると、タイヤの接地面積が増え、摩擦抵抗が大きくなるため、燃費に影響を与えることがあります。
また、扁平率の低いタイヤと組み合わせた場合、乗り心地が硬くなり、路面からの突き上げ感が強くなることも。
例えば、195/65R15を7.0Jのホイールに装着する場合と225/40R18を8.5Jに装着する場合では、後者の方が明らかに硬さを感じるようになります。
ホイール幅を太くすることで、見た目の迫力が増し、走行性能が向上する一方で、乗り心地や燃費、フェンダークリアランスなどの調整が必要となります。
適切なサイズ選定を行い、快適性とパフォーマンスをバランスよく両立させることが重要です。
引っ張りタイヤとは?


ホイール幅を広くしたら、タイヤを引っ張りたいという方も多いかもしれません。
太いホイールに細めのタイヤを装着すると、タイヤの角が引っ張られて丸みを帯びた状態になり、このようなタイヤを引っ張りタイヤと呼びます。
フェンダーとの干渉を減らしたり、ドレスアップには、引っ張りタイヤは効果的。
タイヤとホイールの「引っ張り」「膨らみ」とは?
- 引っ張りタイヤ:細いタイヤを太いホイールに装着した状態。見た目がスタイリッシュで、干渉を防ぎやすい。
- 膨らみタイヤ:太いタイヤを細いホイールに装着した状態。サイドが大きく膨らむため、干渉しやすくなります。
引っ張りタイヤは、ホイール幅、タイヤ選び、空気圧などの注意が必要です。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください
⇒ 引っ張りタイヤはどこのメーカーがオススメ?
車種別のホイール幅は?
ホイール幅は車種ごとに異なり、走行性能やデザインのバランスを考慮して設定されています。
インチアップを検討する際には、純正のリム幅を基準に適切なサイズを選ぶことが重要。
以下に、代表的な車種ごとのホイール幅を紹介します。
軽自動車のホイール幅


軽自動車では、ホイール幅が狭く設定されており、純正サイズは4.0J~5.0J程度が一般的。
例えば、スズキ・アルト(HA37S)は14×4.5J +45、ダイハツ・タント(LA650S)は14×4.5J +45が採用されています。
インチアップを行う場合、4.5J~5.5Jが適切な範囲です。


コンパクトカーのホイール幅


トヨタ・ヤリス(MXPA10)の純正ホイールは15×6.0J +45、ホンダ・フィット(GR系)は16×6J +50が標準。
インチアップを行う際には、6J~7.5Jのホイール幅が選択肢です。
タイヤの幅に合わせて適切なホイールを選ぶことが、走行安定性を維持するポイント。
ミニバンのホイール幅


トヨタ・ノア(80系)の純正ホイールは15×6.0J +50、17インチ仕様では17×6.5J +50が採用されています。
ホンダ・ステップワゴン(RP6)の純正は16×6.5J +45が標準。
インチアップする場合、7.0J~7.5Jのホイールを選ぶことで、安定感と乗り心地のバランスを確保しやすいです。
SUVのホイール幅


トヨタ・ハリアー80系は18×7J +35、スバル・フォレスター(SK系)は17×7.0J +48が標準。
SUVはインチアップによってデザイン性が大きく変わるため、8.0J~9.0Jのホイールを選択すると迫力が増します。
ただし、オフセット調整を誤るとフェンダーからはみ出すリスクがあるため、慎重なサイズ選定が必要。
スポーツカーのホイール幅


トヨタ・GR86(ZN8)は17×7.5J +48、日産・フェアレディZ(RZ34)は18×9.0J +40が純正サイズ。
インチアップ時には、8.5J~9.5Jのホイール幅を選択することで、トレッドを広げつつグリップ力を向上させることが可能。
特に、リアタイヤの幅を広げることで、コーナリング性能を強化できます。
車種ごとに適切なホイール幅を選ぶことで、インチアップのメリットを最大限に活かすことができ、純正サイズを基準に、適切なサイズを選定することが重要です。
まとめ
ホイールの幅は、数字が大きいほどホイールは太く、数字が小さいとホイールは細くなります。
ホイールの太さ(J数)は重要ですが、それとあわせて、インセット(オフセット)が大事です。


ホイールの幅とインセットのバランスで、ホイールの位置が決まり、中に入ったり、外に出たりします。
タイヤ、ホイールのはみ出し、干渉がおきることもあるので慎重に選ぶ必要があります。
ホイール幅は、車種により、ある程度の適正数値があるので、クルマのマッチングデータなどを確認したり、当サイトを参考にしてください。
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